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前日譚 ろくの人の話

 あー、めんどくせぇ。

なんでこんなことしなきゃいけねえんだぁ。

「しゃあねえ、やるかぁ」



「はぁ、おわりっと」

「…」

「おん?」

 視線のする方に顔を向けたら、目をキラキラ輝かせた子どもがこちらを見ていた。両手をグーにして胸の高さまで上げて、少し前屈みなって。

「おにいちゃん、すごーい!」

「お?、おお」

「こら!大声出さないの!すみません」

「ああ、いや」

「ほら、いくよ!」

 そのままその子どもはお母さんらしき人に引っ張られていった。なんかわからんが、元気な子だったなあ。

 今、おれはゲーセンで音ゲーを遊んでいる。気が向けば偶に来て、音ゲーなどのゲームを楽しんでいる。偶にではあるが、物心つく頃から来ていたためか、大抵の音ゲーなら、最高難易度でもなければフルコンが割りと出来るくらいにはなっていた。さっきの子は、今やっていた太鼓を叩くゲームの、それなりに難しい譜面のフルコンボを見ていたんだろう。

「あー、どうしようかなあ」

 今日は特にやることもなく、本当にすることがなくて暇を持て余していた。いつも暇なときは適当なゲームにコインを突っ込んでいるが、今日はそれすら憚られるくらいには無気力だった。別に、最近なにか嫌なことがあったわけではないのだが。

「家帰るかぁ」


 あのあとそのまま家に帰ってきた俺は、本当に何もすることなく、玄関で靴を脱いで、着の身着のまま布団の上に大の字になっていた。

「まじでどーしたもんかねぇ」

 今日は平日の、なんてことない昼。普通の人は学校や仕事なんてしているんだろう。俺も別に無職というわけではなく、夜メインの仕事のため、昼間は特にすることがないというだけである。

「仕事の連絡、ねえかぁ」

 念の為、仕事が入っていないかケータイをみたが、着信履歴はゼロのままだった。何か仕事が入ったらこのケータイに連絡が来る。

「まじ、ひまだ」

 そのまま、本当の本当に何もすることなく、そのまま寝落ちした。


プルルルルルルルルル

「んぁ」

あー、寝てたか。

ピッ

「もし」

「もしもし、仕事の連絡です」 

「あい」

「6丁目の交番前の公園、お願いします」

「6丁目?どこ?」

「では」

ガチャッ

困った。場所がわからない。

「とりあえず、動くかぁ」


 あれから直ぐに家を出た俺は、交番と公園が隣接していたと記憶している場所へ、記憶を頼りに急行していた。

「丁目とかで場所がわかる人すげえよ」


グギャアアアアアアア!!

 公園につくなり、雄叫びが聞こえた。あいつが、今回の仕事内容らしい。

「はあ、やるかあ」

 面倒ではあるが、その狼男のようなバケモノに近づく。ただし、なにもせずに近づくわけではない。右手の各指の間にナイフを挟み持っているように意識して。

「よお」

「グルルルル」

「言ってること、わかる?」

「グルオオオオオオオ!!」

 無駄だったか。

「じゃあな」

 そう言って、右手を右下から左上に思いっきり振り上げ、イメージのナイフをそのバケモノへと投げつける。

「グギャァアアア!!」

「…、悪いな」

 雄叫びを上げてそのまま塵となったバケモノを確認した俺は、持ってきていた連絡用ケータイで電話をかけた。

「もし」

「はい、こちら緊急魔物討伐センターです」

「あー、ナンバーロクですけど、おわりました」

「ナンバーロク、はい確認しました。確かに魔物の気配は消えております。お疲れ様でした。」

「はーい」

「では次に備えておくようお願いします」

ガチャッ

「次、か」

 一応警戒しながら、俺は家に帰った。

一応連載物ですが、とっても投稿頻度は低いと思います。

それでも楽しんでもらえたら嬉しいです。

よろしくお願いします。

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