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白いランドセルの言い分

作者: 綸子

ほとんどの人は知らないことなのですが、実はランドセルは、自分で自分の色を決めているんです。



だから最初はみんな、真っ白なランドセルだったんですよ。


嘘だと思いますか?



では、試しに夜のランドセル売り場を覗いてみることにしましょう。






「今日もたくさんお客さんが来たわね。」



「子供達が背負ってくれると、ワクワクするよなぁ。俺たち黒ほどではないけど、赤も根強い人気があるよな。」



「わかる人にはわかる魅力があるのよ、私たち赤には。黒さんと違って、赤の中でも微妙な色の違いがあったりするしね。」




「違いかぁ。それを言うなら、本当に色んな色が増えたよな。」



「そうねぇ。この売り場だけでも、何色もいるものね。」




赤と黒は、自分たちの乗っている陳列棚を見回します。




「なーにー、なんのお話ー?」




赤の下の棚から、別の声がします。ピンク色のランドセルです。



「あらピンクさん。皆さんカラフルで素敵ねって話していたのよ。」



「ピンクはどうして自分の色をピンクにしたんだ?」


黒の問いに、ピンクは、


「えーとねぇ、やっぱり、可愛いからかなー。ピンクだったら、きっと可愛いものが好きな子のところへ行けるでしょー?」



と、嬉しそうに答えました。


そこに、



「ねぇ!ボクの理由も聞いて!」



と、黄色が割り込んできました。



「元気なやつだな。じゃ、聞こう。なんで黄色にしたんだ?」



黄色は胸を張って言いました。



「ボクはね、直感!ボクの色は絶対黄色だ、って感じたんだ!」



「迷いがない感じがいいと思うぞ!」と、黒。



「そうね。説明しづらいけど、私は赤だわ!ってピンと来る感じがあったのは確かね。」



他の色のランドセルたちも、そうだわ、そうだね、と、同意しました。



ところが1人だけ、黙ったままのランドセルがいました。白です。



近くにいた水色が、

「白ちゃん、どうしたの。」



と、声をかけると、白はポツリと



「僕、わからなかったんだ。」



と言いました。




「自分の色がわからなくて、でも、そのままの僕を選んでくれる子もいるんじゃないかって気がついて。それで、白のままでいるって決めたんだ。」



他のランドセルたちは、白の言葉に驚きました。




自分の色がわからないランドセルがいるなんて、思ってもみなかったからです。




みんな黙ってしまいましたが、赤が、




「明日は日曜日よ。白さんもみんなも、自分のおうちが決まるといいわね。」



と言うと、



みんなも心から、自分と白のお家が決まりますように、と願ったのでした。

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