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数と私

作者: サトノハ

 私は数に恋をした。


 数の無限に広がる連続性に。


 そして、“何もない”を証明して見せた0という存在に。


 さらには、円の直径から円周の長さを導くことのできる円周率。


 円周率は素晴らしい。円周率は無理なのだ。限りなく近づくことは可能でも、その本質は誰にも手に入れられない。それが円周率。はるか昔から人類はこの円周率に挑戦し未だその全貌を見た者はいない。


 そこにあるのに。


 すぐ目の前にあるのに触れない。


 円周率とはそういうモノだ。


 その深淵を覗いてしまった人を魅了して止まない魅力がある。


 似た魅力を持つ黄金比や白銀比。そのどちらもが無理数である。


 人は、無理なもの手に入れられないものにこそ美しさを見出してきた証明でもある。



 今日は12月22日。


 あと3日でクリスマス。


 今年も私は数と過ごすだろう。


 3


 2


 1


 ボン




 私を無視して別の女と過ごすあんな男、爆発してしまえばいい。


 私が愛すのは円周率。それだけでいい。


 ああ、円周率は私を裏切らない。


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― 新着の感想 ―
[良い点] つまり、小野東風に描かれる蛙の心境ということでしょうか。 名誉、地位、財力等、求めて得られないもの。 天翔る力や水底で暮らす能力。そして不老長寿。 さまざまな事柄のうちで掴みきれないのが人…
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