3/7
桜の木の下でわたしは
「好きです付き合ってください。」
私はその日幼馴染の男の子に初めての告白を受けていた。
正直に言うと私はこの告白して来た彼のことが好きだった。
何度もこうなることを願っていたし彼のことを思うだけで幸せになれる私が確かにいた。
けど今の私は彼の思いに答えることはできない。
彼のことが好きでも、好きだからこそ私は彼思いにこたえることはできないのだ。
「ごめんなさい」
必死で平静を装いながら自分の身を切るような思いで出したその言葉に私は耐え切れず一筋の涙が私の瞼から零れ落ちた。
私はこの涙を隠すためにこの場を必死に走りさっていった。
彼はまだ私に言いつのろうとしたがあまりに必死の様相で走り去っていく私に追いすがろうとはしてこなかった。
私はそのまま女子トイレに駆け込むと少しの間だけ泣いた。
この秘め事を彼に打ち明けられればどれだけ楽になるであろうか。
私の心は何度も私にささやきかけてくる。
早く彼に打ち明けろと。
でも私は彼のことが好きだからこそこのことは絶対に言えないのであった。
私は自分を奮い立たせると涙をぬぐい卒業式に臨むのであった。