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第75話

第75話


あの会話が途切れいつもの状態に戻ったと思うんだが誰も不思議に思っていない。

何故そうなのかとテレビの時刻を見てみたら時間は1分も進んではいなかった。

聞こえたのは俺だけで時間も一瞬だけだったらしい。


そして今、頭がスッキリして変な気分なのだが

嫌な感じではなく寧ろ心地よく感じる。


だがその事も大事だが差し置いたとしても

今はこっちの方が大変だろう。


放射能汚染は本当に大丈夫なのだろうか?

それにそこにいた人たちはどうなったのだろうか?


そう考えている間にもレポーターは喋り続け

今から軍が出動して周辺地域を確認。

そして作業員および周辺住民がどうなったのか確認を行うという話が終わると

画面がヘリコプターからの映像へと切り替わった。


塔から離れた場所には何台ものヘリコプターが飛び回り

同じ様に塔の映像をそのカメラに収めているのだろう。


その内の1台が果敢にも霧の中へと入り塔へ近づこうとしているのを

俺達の見ていた放送局が映していた。


霧にヘリの半分程がさしかかったその瞬間

突如として黒く巨大な塊が真上から落ちてきてヘリコプターへと直撃した。

大破したヘリコプターが炎上しながら黒い煙を出して地上へと落ちていく。


その映像を映していたカメラマンがその映像をズームにしてとり続けていると

映像を見ていた誰もが息を呑み込んだ。


上から落ちてきた黒い塊が弧を描くように上昇して

映していたヘリコプターへと近づいてくる。

そしてレポーターは悲鳴をあげながらその呼称を連呼した。


「わぁぁぁぁ・ドッ・ドラゴン・ドラゴンです。ドラゴン・ドラゴン・ドラゴン・・」


自分のヘリも墜落させられそうだと言うのに

カメラマンは映像を映し続けている。


ヘリコプターは回避行動をとろうとするが間に合わない。


そして今にも体当たりしそうな所まで来た時

突如何かに弾かれるようにぶつかると霧の中へと戻っていった。


そこでレポーターが誰かと会話を始め

中継が切られてスタジオの映像へと切り替わった。


大変な事になったな。


◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇


「こめんなさい俊介さん。

私、一度仕事でフランツ共和国へ戻る事にするわ。」


電話を終えて戻ってきた美月を見て驚いた。


なぜなら驚くほど美月を綺麗だと思ったからだ。


つい数分前まで見ていたはずなのに不思議でしょうがない?


美月の容姿は色白で身長170センチ位で目鼻たちがハッキリしていて

髪は赤みのかかった黒色で瞳の色は黒色

瞳だけを見ると目じりが少し上がっているのできつそうに見えるが

顔のつくり全体からいうと寧ろやさし気に見える。

髪型は肩に少しかかる位の長さで軽くウェーブがかかっており

スタイルは出るところは出て引っ込むとこは引っ込んでいて抜群だ。


そして栞里にも目を向ける。

身長170センチ位のモデル体系で細く儚げな容姿をしており

可憐や清楚といった言葉が似あうだろう。

目鼻たちもハッキリしており髪の色は黒色、

瞳の色は深く吸い込まれそうな紺碧で髪は腰まで伸びるサラサラのストレート

雰囲気は全体的に柔和で人を魅了してやまないだろう。


何故?今まで気づかなかったんだ?

ずっと美人だとは思っていた。


だが2人共こんな雰囲気だっただろうか?

魅力的で自然に目がひきつけられる。

今までどれだけ感覚が麻痺していたんだろう。


外部からの精神汚染や誘導を防御した結果がこれなのだろうか?

それならこれが正常な感覚なんだろう。


ゲームの世界から目覚めた様な感覚を問題が無いと

割り切ってみたのたが実は問題が大在りだったみたいだ。


俺は何年分の感動や本当の驚きを色あせさせて過ごしてきたのだろうか?

これから数年分の感動を一からやり直すと考えるとある種の浦島太郎だと言えるだろうか。


誘導や制限をされていたとはいえ現在の幸せな環境になった経緯に何の苦情はないのだが

これだけは何とか言うシステムに一矢報いてやらなければ気が済まなくなった。


だが今はその時では無いので

思考を現実に戻すとしよう

美月達2人に感じたこの感動は今度時間があるときに改めて伝えさせて貰おう。


◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇


「・・・・・・・」


「どうしたの?」


「いや。そうだ、これだろ。」


俺はテレビを指差して返事をした。


「そうなのよ。

まだ何も起きてはいないけどあの国って原発大国でしょ。

だから国内の原発があの建物に変わってしまったら電力供給が出来無くなって

きっと暴動が起きると思うのよ。」


「美月さん。それがわかっているのに戻るなんて危険すぎます。」


「戻らないといけないのか?」


「最高責任者だからしょうがないわ。

私が判断を下さない限りは部下たちが動けないもの、例え放棄して逃げ出すにしてもね。」


「俺もついて行こう。」


「大丈夫よ。私だけなら優秀なSPもついてるからどうにかなるし

直ぐに逃げられるように屋上にヘリを待機させておくくらいの準備はしておくから大丈夫よ。

それに今回は工藤も同行させるから心配しないで。

それよりも栞里の事をお願いするわね。

そうね、だけど何かあった時はお願いするかも知れないわ。」


美月は微笑みを浮かべながら冗談っぽくそう言った。

なんだか今にも消えてしまいそうだ。


確かに外でスキルが使用出来ると教えてないので

ついてこられても困ると判断するしかないよな。

では今出来る万全の安全策を授けて守る事にしよう。


「わかった。美月と工藤さんとは空港で一旦お別れになるが

この分だと日乃本もこの災害から逃れる事は出来そうになさそうだ。

だから一度みんなで塔京へ戻ろう。

そして俺達2人は日乃本の午前0時を過ぎてから明日以降の事を考える事にする。

それと婚約の挨拶は美月の用事が片付いたら3人で一緒に行く事にしよう。」


「その方が良いですね。」


「私も仕事が片付いたら連絡して合流するわね。」



叔父さんすみません

連絡を入れて明日にでも行こうと思っていたのですが

こんな状況になったので落ち着いてから今度婚約者を紹介しに連れて行きます。

だからこの騒動に巻き込まれないで元気でいて下さい。


気に入られたらブクマと

評価をよろしくお願い致します。


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