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第68話

第68話


「兄貴。久しぶりだな。」


「俊・介・・か?」


【名前】風祭大輝

【性別】男

【年齢】37

【状態】衰弱:意識薄弱/癌85%



「痩せたな。

最近になって俺のもとに手紙が届いたんだが今更何の用だ?

無視しても良かったんだが後々面倒ごとに巻き込まれるのは嫌だから

わざわざここまで来たんだぜ。」


「俊・・介。

家督と・・・家族を頼めないか。

俺は・・もう長く・ない。

これ・以上の・・治療は無駄だ。

俺・・には・・詳しく・・話さないが・・・

俺の・・治療費で・・借金を・・してる・・らしい。」


「馬鹿じゃねぇか嫌に決まってるだろ。

大体この年齢にもなって兄貴のお下がりを貰うとかあり得ないからな。


教えてやるが迷宮産の薬草を使用した癌治療薬で延命措置をしてるから

結構な金額になってるぞ。

正確には畑の半分と耕作機械を担保に農協から金を借りてるそうだぞ。」


「そん・・なにか?

だが・・・お前は・・風祭の・・次男・・じゃないか。」


「ふざけるな。

家を出た時から一切関係ない赤の他人だ。

それに今では絶縁届を提出したからな。」


◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇


「なんで?アンタがここにいるのよ。」


「夏美か?随分と老け込んで婆になったな。


俺も来たくて来た訳じゃ無い。

兄貴からの手紙が来なければ来なかったさ。

と言うかほっとくとこっちまで飛び火しそうだったから

面倒ごとを片付けに来たんだよ。

医院長に聞いたんだろ?完治する治療法があるって。」


「なんで?あんたが知ってるのよ?」


「相変わらず鈍いな。誰がここで待ってるって院長から聞いた?」


「まっまさかまさかアンタだって言うつもりじゃないでしょうね。」


「兄貴には今から説明するつもりだったんだが面倒になった。

お前が説明しろ。」


◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇


「治・る・・のか?」


「ああ治るさ。で、どうするんだ?

アンタが生きてれば何とかなるんだろ。

だから今回は助けてやるよ。」


「俺が・・健康に・・なったら・・・

春奈と・夏美と・・離婚・・するから

お前が・・・春奈と・・夏美と・・再婚して・・・

家督を・・継いだら良い。

その・・上で・俺が・・・お前の・下で・・働く。それ・・では・ダメか?」


「はっ?何言ってんだ。

なんで俺が兄貴の尻拭いしなきゃいけないんだ。

そのうえでこんな不良物件を押し付けようとすんじゃねえよ。


今提案した条件だって俺にはメリットが無いってのに。

相変わらず面倒ごとが起きると逃げ回る癖は治らねぇんだな。

全く何を考えたらその考えに行きつくんだよ。

不思議でしょうがないぜ。」


「あなたっ私は嫌よ、治療しましょうよ。

姉さんにも今の間に連絡したわ。

治療して元気になって欲しいって。」


「わぁ・・わかった・・治療・・して・くれないか・俊介。」



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