第62話
第62話
迷宮管理局戸夜嶋支部。
「お待たせしました。」
「お待たせ。どうかしら?」
「うん普通だな。
初心者装備が似合ってたら逆におかしいからな。
じゃあ工藤さん丸山さん昼頃には戻りますから。」
「美月様、栞里様
くれぐれも風祭さんの指示に従ってご自愛くださいませ。」
「はい工藤さん。」
「ええ。わかってるわ。」
「風祭さん。
くれぐれも無茶はしないようにお願いしますね。
何かあったら私の首だけでは足りませんからね。
本当にお願いしますよ。」
「わかってます。
流石に2人を連れて無茶は出来ませんから大丈夫ですよ。」
「俊介さん、行きましょう。」
「そうですね。楽しみです。」
「よし。行くか。」
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
戸夜嶋迷宮1階層前階段。
迷宮管理局から
監視所棟の賃貸更衣室へと繋がる通路を通り迷宮へと入って行く。
「ここまでが安全地帯で、そこからが本当の迷宮になるんだが
その前に2人に渡すものがあるから手を出してくれ。」
俺はそう言いながら
自分の左指から装備アイテムを2つ外した。
「ほらっ。」
「これは?」
「なに?」
渡したのはアイテムの指輪。
「指輪?」
「指輪ですか?」
「そうだ。アイテムの指輪で〈守護の指輪〉と言う。
効果は装備者を自動防御。
効果を使用すると5つある装飾の石が1つずつ砕け散るという効果だ。
それをやるから付けていてくれ。
プレゼントだから返さなくていい。」
「ありがとう。でも俊介さんは大丈夫なの?」
「同じ物を俺もつけてるから問題ない。ただし過信はするなよ。」
そう言って俺は左手を2人に見せた。
「ありがとうございます。
これからは俊介さんがいつも守ってくれているという事ですね。」
「お揃いの指輪ね。嵌めてくれないかしら。」
「わっ私もお願いします。」
何故2人とも左手の薬指だけを伸ばしてアピールしてくるんだ。
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
しょうがないので
嵌めてやると予想以上に2人は喜んでいた。
これで最初の安全は確保できたな。
気に入られたらブクマと
評価をよろしくお願い致します。