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第54話

第54話


俺が引っ越して暫く経ち

マンション周辺の地理にも慣れた頃

迷宮管理局のホームページが新たに更新された。

戸夜嶋迷宮からランク5のポーションが見つかったらしい。


人が減るかと思ったが

ポーションが見つかる迷宮は少ないらしいから

これからもっと増えそうだ。


ランク5のポーション1本で100万円。


ランク4のポーション1本で150万円。


どちらかを1本見つければ6人パーティーで

1人辺り16万から25万くらいの稼ぎになるから

1日分の稼ぎとしては十分すぎる。

ちょっとした一攫千金だな。


それに合わせて最近では他の迷宮から人が流れてきていて

ちょっとした諍いがチラホラ見かけられるようになってはいるようだが。


◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇


今日も戸夜嶋迷宮は人で一杯だ。


浅階層は初心者が。


中階層は戸夜嶋迷宮に潜っていた

迷宮転移スキル持ちがパーティーを組んで

他の迷宮から来たダイバー達を送り迎えしているらしい。


幾らになるかは知らないが

良い小遣い稼ぎになっているのでは無いだろうか。


最近の俺は攻略した階層に

スケルトンが無限湧きする部屋を見つけたので

ポイントと宝箱の為に足繁く通ってる。


当初通い始めたころは殲滅するまでの良い順番が分からず

それに結構時間を取られていたので

最近まで攻略がさぼり気味になっていた。


なので今日は無限湧きが終わったら

久しぶりに下の階を攻略しようと思っている。


「オジサン。」


入口に向かっていると声を掛けられた。


「ん。」


振り返ると女の子が2人。


「オジサン。ホントに1人で潜ってるんだね。」


思い出した。

パーティーに誘ってくれた女の子だ。


「わたし。毎日友達とここで待ち合わせしてたんだけど

オジサンが毎日一人で潜っていくのを見てたんだ。」


「毎日って学校はどうしたんだ?」


「もうとっくに長期休暇に入ったよ。」


そんな時期か。

と、言っても会社員時代は休みが無かったから関係なかったけどな。


「何か欲しいもの買うための小遣い稼ぎか?」


「オジサン知らないの?

ポーション。ポーションだよ。」


「それか。ここで出たらしいな。」


「そうそれ。

だからこの娘と私の2人。

それとお父さんと同じ位の歳のおじさんグループでパーティーを組んで

少し深いところまで探しに行くんだよ。」


「低階層しか潜った事がないのにいきなり下の階層とか

そんな急ごしらえで組んで信用できる相手なのか?

それに前のパーティーはどうしたんだ?」


「大丈夫大丈夫。

登録制のパーティー編成紹介所から紹介してもらった人達だから一応は信用できると思うよ。

そのおじさんグループに護衛兼案内をしてもらって行くから大丈夫。

あと前のパーティーはこの娘が休んだ後

私達が知らない人を入れたから抜けたんだ。」


「そうか。」


「よかったらオジサンも一緒に行かない?」


「行かない。」


「そっか。今日は私達だけだから

知ってる男の人が一人くらいいると安心出来たんだけどなぁ。」


「なんだそれ?

俺の事なんて少し話した事があるくらいで知らないだろ。

だがまぁ無理はしないようにな。」


「そっかうんわかった。

中で会った時はよろしくね。

行こっか亜希子ちゃん。オジサンじゃーねぇ。」


「ああ。」


随分と賑やかな娘だよな。


俺も行くとするか。


気に入られたらブクマと

評価をよろしくお願い致します。


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