第51話
第51話
まあ守秘義務に関しては
身内や関係者だけで納めているようだし
世間様にはバレて無いようだから俺的には問題ない。
それと俺がやってしまった事は
しょうがないと諦める。
そして改めてうつむいた栞里ちゃんの姿をよく見ると
どこか違和感を感じてしまう。
見比べないとよく解らないが
両手の甲の色が少し違う気がする。
憶測なんだが脚も違うんじゃないだろうか?
新しく生えてきたから元の肌色と違っているのだろうか?
もしかして元の皮膚と怪我を塞いだ新しい皮膚では色が違ったのだろうか?
それをファンデーションか何かでゴマしているのではないだろうか?
色々と考えるが今更の事で
服の上からでは観察してもわからない。
あの時は裸だからジロジロ見たら可哀そうだと
よく見なかったのだが
今更ながらあの時よく観察しておけば良かったと思う。
決していやらしい気持ちでそう考えたのではないと誓える。
だが今更。
観察したいので裸を見せて下さい
なんて言おうものなら変態確定だ。
せっかくセクハラ扱いもされず気持ち悪いとか言われなかったのに。
だが。
女の子には酷な事だろう。
それに命が助かっただけでありがたいとか思っていそうだ。
これは治した方が良いだろうな。
誤魔化す方法なら
いくらでも思いつくだろうしな。
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
「そうだ。迷宮帰りで汚れてるから
少し綺麗にしたいんだが良いだろうか?」
「シャワーでも浴びたいのかしら?」
「違う。迷宮産のアイテムで綺麗にするんだ。」
「アイテムでですか?」
「体の汚れを綺麗にする使い捨てのアイテムなんだ。
この前迎えの車に乗るときも使ったアイテムだから
危険な物じゃないのは保証する。
だから使用しても良いだろうか?」
「へぇ、面白そうね。」
「気に為るなら使ってみないか?丁度残りが4個だし。」
「よろしいのですか?」
「無くなったら又探せばいいからな。
遠慮しないで試してみないか?スッキリするぞ。」
「工藤さんもどうぞ。この前のレシピのお礼です。」
「それなら遠慮なくご相伴に預からせて頂きます。」
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
「よし皆、発動のキーワードは俺が唱えるから
手のひらの水晶を握りしめてくれ。」
「「「はい。」」」
「クリーン。」
詠唱と同時に俺が2つの魔法をかける。
≪エリアピュアクリーン≫
≪エリアヒール≫
そして手のひらから水晶を回収する。
「どうだ。さっぱりして体が軽くなった気がしないか?
それにこれで肌がつるつるになってシミとか皺も取れるんだぞ。」
「おや本当ですね。
手にあったシミが見当たりません。
それにわたくし腰痛に悩まされていたのですが
痛く無くなっております驚きですね。」
工藤さんが物凄く驚いてくれた。
「栞里ちゃんはどうだい?。
比べる為にチョット両手を見せてくれないか?」
俺はそう言って栞里ちゃんの両手を握る。
「うん。シミ1つない綺麗な手だ。見てごらん。」
そう言って俺が彼女の顔を下から覗き込むと驚いた顔をしていた。
「鷹宮さんはどうだい?」
「なぜ私は苗字呼びなのかしら?
栞里は下の名前で呼んでいるのに。」
えっ!!そっちと思わず思ってしまったのはしょうがないだろう。
「あっ、いやぁ、えっと。二人とも鷹宮だから?」
「なら、私も美月でいいわ。貴方も下の名前で呼んでいいかしら?」
「ああ別に構わないが。」
随分とグイグイくるな。
「あっ、じゃあ私も下のお名前でお呼びしてもよろしいですか?」
「あっ、ああ。」
交渉スキルをオフにした覚えは無いんだが?
さっきからずっと押され気味だ。
この手の会話じゃ働かないのだろうか?
気に入られたらブクマと
評価をよろしくお願い致します




