第49話
第49話
攻略は順調に進み、
階層を次へと進めていっている。
数か月前。
急に戸夜嶋迷宮に人があふれていた件だが
どうやら迷宮管理局のホームページが更新されて
戸夜嶋迷宮の名前でポーション各種が登録された為らしい。
つまり俺のせいなのだが。
どの迷宮で取れたかは公開されるが
誰が取って来たか等は公開されないので
今の所問題は起きていない。
取れないのがわかれば
次第に人も減っていくだろう。
と、いう事で今はまだ
ゴールドラッシュさながらで
戸夜嶋迷宮と戸夜嶋支部は人で賑わっている。
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自宅に帰るとアパートの周辺が大変なことになっていた。
アパート手前の道路が人垣ができて通れなくなっていて、
後ろの方のやじ馬はスマホのカメラを頭上へ伸ばし何かを撮影している。
自宅に帰ろうにも通れないのでスキルを発動させて移動する事にした。
≪気配遮断≫ ≪隠密≫ ≪影渡り≫
アパートの敷地に入ると解除する。
そして≪忍び足≫
鍵を開けて中に入ろうとしたら下の階から声をかけられた。
「いつの間に通り抜けたんですか?
それにそのまま家に入ろうとしないでください。」
アパートの前の道路には見覚えのあるリムジンが止まっており
その扉の前には工藤さんが立っていた。
気付いてたから無視したんだが
いっその事家の中まで影渡りで移動すれば良かったのかもしれない。
案の定やじ馬はリムジンを見るために殺到していたようだし。
そして当然声をかけられた俺にも注目が集まるわけで
しょうがないので下に降りていかなければいけなくなった。
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
「こんな騒ぎなのに
よく警察が移動するように言いに来ませんでしたね。」
俺は金持ち特権かなと思いながらも質問した。
「この車両は外交関係の車両なので日乃本の法律では取り締まれませんから。」
そうですかと思いながら
話を進める事にした。
「今日は何の用ですか?」
「先ずは車にお乗り頂けませんか。
用事のある方は中におられますので。」
「正直言って俺は用事が無いんですけどね。」
「申し訳ございません。」
「いや。工藤さんが悪い訳じゃない無いんですけどね。
しょうがない。
いつまでも車を移動させないと邪魔になりますしね。」
「感謝いたします。」
その間も野次馬たちは騒いでいる。
俺を写真に撮ろうとするんじゃない馬鹿者たち。
写真を撮ろうとしていた野次馬たちのスマホを
影狼たちにお願いして地面に落としていって貰う。
あちこちで悲鳴があがっているが
それをバックコーラスに聴きながら。
≪ピュアクリーン≫
≪ヒール≫
俺は清潔浄化魔法と回復魔法をかけて車へと乗り込んだ。
気に入られたらブクマと
評価をよろしくお願い致します。




