第45話
第45話
「まぁ遠慮せずに座ってくれ。」
「あぁ。そうさせて貰うよ。」
出来ればサッサと話を終わらせて帰りたい。
「それで話なんだが。」
「その前に見かけない人物がいるだろうから自己紹介をさせよう。」
俺には必要無い事なのだが
向こうに取ってはそうはいかないみたいだ。
「では私から源蔵の妻で鷹宮香苗
鷹宮財閥アメリカCEOをしているわ
昨日はアメリカでポーションを買い集めていたからいなかったの。
栞里を救って頂きありがとうございました。
貴方には感謝しております。」
随分と美人のお祖母ちゃんだな。
「わかった。その感謝受け取っとくよ。」
「 次は私ね。私は次女の鷹宮美月。鷹宮財閥ヨーロッパCEOをしているわ。
理由は同じで昨日はヨーロッパでポーションを買い集めていたからいなかったの。
今回の事は感謝はしているけど
これ以上鷹宮の懐に入り込もうとしても私が許さないんだからね。」
美人さんだが随分と俺に突っかかってくるな?
「 感謝は受け取っとくよ。
俺にそんな気は無いし
そもそもこれ以上関わりたく無いから無用な心配だ。」
そう返答すると何故か驚いた顔をしていた。
たぶんだが
野蛮で無骨で欲深な印象が強いダイバーが
これ以上金持ちに関わらないと言い切ったからだろう。
俺はめんどくさいから今回限りだ。
「最後は鷹宮財閥顧問弁護士をしています水嶋遥と申します。
昨日はアジア圏を中心にポーションの買い付けをしておりました。
この度は栞里ちゃんを救って頂き感謝しております。」
この人はまともな美人さんだ。
「わかりました。感謝を受け取ります。」
「一部問題もあったようだが自己紹介も終わったようじゃな。
わしたちは今回の治療に関する事を
お主が売ってくれた理由も含めて知りたいと思っている。
そして治療費を幾らにするかも話し合いたいと思っている。」
「その事についてだが俺としては秘密が守られるなら
どうやって治療したかは話してもいいと思っている。
それと治療費だが庶民の俺にはランク3のポーション代だけで
持て余してしまうからこれ以上は必要無い。
それではあんた達の気が済まないというのなら
鷹宮財閥の系列会社や交通機関で使えるクーポン券でもくれたらそれで良いぞ。
後は、あんた達で勝手に話し合いをやってくれ。」
「そんなっ。栞里を助けていただいたのに碌なお礼も出来ないなんて。」
「その通りだ。何か他に希望は無いだろうか?」
「だから、もうそっちで勝手に決めてくれ。
俺が困らなければそれでいいから。
この話はここで終わりだ。いいよな。」
これ以上ごねられない様に
少し威圧を込めて強めに言っておく。
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
「じゃぁ治療の詳細の前に何故売ったかを答えるよ。
その後少しだけ俺から質問をさせてくれ。
初め孫娘の治療だと言うから小さな子供だと思っていたんだ。
小さな命が助かって目立たずにポーションが金になるなら
相手にも俺にも何の損も無いから良いかなってな。
それでまぁ。
俺も悪かったんだが
あの時点では状態を知らなかったしランク2以上は未発見だったろ
そちらもそれ以上の存在を知らない訳だし
だからそれで十分かと思って売ったんだ。
どんな効果なのかもニュースで聞いてただけで
俺も実際に使った事は無かったしな。」
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継続して書き続けていく自信が欲しいので。