第44話
第44話
鷹宮財閥ヨーロッパCEO 鷹宮美月の視点
栞里ちゃんが事故に遭って重症だって
泣きながら姉さんが連絡してきた。
何かできる事を考えなくちゃ。
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その後直ぐに父さんから
ありったけのポーションを
ヨーロッパ中から集めるよう依頼がきた。
アメリカの母さんにも頼んだらしいが
向こうは余り芳しく無いらしい。
国外への持ち出しを規制しているそうだ。
だから交渉に少し時間がかかるとの事。
だが私に連絡してくるくらいだ
日乃本のは全部かき集めてなお不足しているのだろう。
かなり容態が悪いみたいだ。
直ぐに私もヨーロッパ各国のCOOに指示を出して
ダイバーとダンジョン管理組合からポーションを買い集めるように依頼した。
私用なのに皆が快く引き受けてくれて嬉しく思う。
しかしヨーロッパでのダンジョンの扱いはというと。
先見の明があったのか現在ではマフィアと言われている連中が
国が注目していなかった当時から潜り続け成果を出し
徒党を組み国の枠組みを超え組織へと拡大していったらしい。
現在ではでは大量の資金を注ぎ政財界と取引をしてダンジョンを独占している状態との事。
なので口出しや横入りはなかなか難しいらしい。
買い取りを一手に引き受けている
ダンジョン管理組合へ連絡をして協力を仰ぐがなかなか集まらない。
そんな時に大量のポーションを売りたいと連絡があったという。
条件は10倍の価格で全てを購入するというもの。
日乃本と比べれば価格が安いとはいえぼったくりだ。
鑑定と検査をさせた結果
全体の1/4にあたるポーションが半分に薄められたものだとわかった。
しかし今は時間がないので
全て購入して急いで日乃本へと搬送する。
その後も何度か同じ様なやり取りがあったが全てを購入した。
不幸中の幸いだったのは
効果は薄めてあるのだが偽物が存在しなかった事。
マフィアに資金を提供するためにダンジョンに潜り
マフィアの資金源となるダイバー。
金額としては大した事では無いが
人の弱みに付け込んで来るのがいやらしい。
こんな事が無ければ関わることも無かったのに。
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そんな時間を過ごしていると
栞里ちゃんが全快したとの知らせが届いた。
良かった。
日乃本で活動しているダイバーが
とんでもない効果のポーションを使用して回復してくれたらしい。
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今回の件でヨーロッパのダイバーのほとんどが
マフィアに何かしら恩恵を受けている人達だと知った。
それなら日乃本も同じ事があり得るのではという思いに至った。
それに余りにもタイミングが良すぎる。
これはなにかあるのでは無いかと不安に駆られ
直ぐにチャーター機で日乃本へと向かう事にした。
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