第43話
第43話
車に乗り込んでから2時間。
今まで高い塀に囲まれた壁の横を走り続けていたが
やっと入口らしき巨大な門にたどり着いた。
門が奥へとゆっくり開いていく。
もう着いたのかと聞いてみると
門から邸宅まで
車で30分程度かかりますよとの回答があった。
どうしても金持ちの感覚にはついていけそうにない
守衛室でも俺の部屋の3倍はあっただろう。
車道の両脇は綺麗な庭になっていた。
庭園美術館だと言っても過言ではない。
広さを聞いてみたところ
ディズニーランドには行かれた事は御座いますかと逆に聞き返されたので
あると返事をすると
その2倍は御座いますとの返答が帰ってきた。
そんなに広くて何をするんだと思ったのはしょうがない事だろう。
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入口の門から続く庭が洋風だったから
洋風建築の家なのだろうと勝手に思い込んでいたら
途中から日乃本庭園へと変っていき
たどり着いたのは立派な日乃本建築の平屋だった。
俺が車から降りると年配の着物姿の女性が出迎えてくれる。
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建物の中に入ると俺でもわかる
檜の木の香りがしてきた。
中は広くて沢山の人達が動き回っているのが
ナビに表示されている。
その中でも一番広い部屋の中央にいる6人と
囲むようにしている6人の人物は全く動いていないので
たぶん爺さんたちと黒服だろう。
だが1人だけ若干だが敵意を持った人物がいるが
なぜなんだろう。
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靴を脱いでスリッパに履きかえる時
靴下に穴が開いてなかったか心配になったが
開いてはおらずほっとした。
新品は未開封で空間収納の中に保管してある。
そろそろ古い奴はすべて捨てて新しいのに変えないといけないが
貧乏根性が染みついてるから
なかなか古いものが捨てられなくて困る。
それに最近はスペースを気にしなくて良くなったから
何でも取っとく癖が加速している気がする。
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建物の間取りは既に把握しているが
初めてなのに先行したら拙いから
年配の着物姿の女性の後に工藤さんが続いていくので
俺も後を追う事にした。
そして長くて広い庭園を見渡せる廊下を歩き
一番広い部屋へとたどり着く。
案内してくれた女性は
障子で仕切られた部屋の中へ声を掛けると二言三言会話して
障子を開けると中へ入るように促してきた。
工藤さんに続き俺も中へと入る。
中にいたのは
爺さんと娘夫婦と知らない女性3人に黒服6人。
鑑定結果は
爺さんの奥さんと次女と顧問弁護士
何故か次女さんから微量の敵意を持たれている。
【名前】鷹宮香苗
【性別】女
【年齢】70
【感情】良好
【役職】鷹宮財閥アメリカCEO
【名前】鷹宮美月
【性別】女
【年齢】36
【感情】微敵意
【役職】鷹宮財閥ヨーロッパCEO
【名前】水嶋遥
【性別】女
【年齢】34
【感情】普通
【役職】鷹宮財閥顧問弁護士
気に入られたらブクマ、評価をよろしくお願い致します。
継続して書き続けていく自信が欲しいので。