第42話
第42話
1階層へと戻ってきた。
もうすぐ迎えの車が来るだろうから
こちらが有利に話し合いを進められる職業を取得しておく。
本来は必要無いのだろうが
交渉事は昔から苦手なのでスキルに頼る事にする。
≪等価交換≫
【職業・交渉人】40,000P
言語理解/精神感応/詐称/観察眼/地獄耳/威圧/魅力
『交換しますか【YES/NO】』
<YES>
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
階段を上ると
あの長いリムジンの横に立つ工藤さんが見えた。
俺もあれに乗るのか。
汚しちゃ悪いなと思い自身に清潔浄化魔法をかけておく。
ついでに回復魔法もかけておく。
回復魔法を覚えてからというもの毎日かけているのだが
物凄く調子が良くて全くの疲れしらずだ。
そして肌はツヤツヤ
シミと皺も無くなって若干だが若返った気がする。
≪ピュアクリーン≫
≪ヒール≫
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
俺を見つけた工藤さんが近づいて来た。
「お待ちしておりました風祭様。」
入口に入ろうして俺とすれ違うダイバー達が
ギョッとした目で俺を見る。
「工藤さん。様付けはやめてくださいよ。」
「いえ。本日の風祭様は御前のお客様ですので。」
「はぁぁわかりました。」
「それでは、こちらへどうぞ。」
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
リムジンの中ってこうなってるのか?
初めて乗ったリムジンの中は部屋だった。
言ってる俺も意味が分からない。
周りはぐるりとソファーで囲まれ真ん中にはテーブル
何で車の中にシャンデリアがあるんだろう。
とりあえず座るように言われたのでソファーへと腰掛ける。
「お飲み物をご準備致します。」
と渡されたのはメニュー表。
凄い。
水は何種類ものメーカーの名前があって
フレッシュジュースから各種炭酸
名前しか聞いた事ない高級酒からカクテルまで選り取り見取りらしい。
さすがは超の着く金持ち。
いろんな国のお偉いさん用に準備は万端なようだ。
俺はグレープフルーツジュースをお願いする。
すると工藤さんは備え付けのバーカウンターに行くと
果実のままのグレープフルーツを取りだし2つに切ると絞り出した。
「お気に召すとよろしいのですが。」
最後に何かを加えると持って来てくれた。
美味い。
苦みと酸味それに最後に感じるほのかな甘み
嫌いな人は苦いから嫌いと良く言うが
俺はその苦みが好きなので
よく市販のものを好んで飲んでいるのだが
今まで飲んだ中で一番美味い。
後で頼んでレシピを教えてもらおう。
ところで今はどこに向かっているのだろう。
「工藤さん。この車どこに向かってるんですか。」
「智羽県にある御前の本宅でございます。」
気に入られたらブクマ、評価をよろしくお願い致します。
継続して書き続けていく自信が欲しいので。