表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/76

第39話

第39話


瀕死が重症まで回復したが

怪我の完治までには、至らなかった。


「爺さん。これからどうするんだ?」


「やる事は決まっておる。

ポーションで助かるなら探させて手に入れるまでじゃ。

香織も孝典も泣いている暇はないぞ。これからが本番じゃ。」


「爺さんあんた物凄い権力者なんだよな。」


「何だ?藪から棒に。お主には感謝しておるが悪事に手を貸す気は無いぞ。」


「そうじゃない。

爺さんが俺に脅しをかけたみたいに

この病院のスタッフも秘密を守らせる事が出来るのかと聞きたいんだ。」


「そんな事せずともこの病院は鷹宮財閥の系列で

スタッフその親族共に何かしら関わっておるから

脅しなどかけずとも秘密が漏れる事は一切ない。

それがどうしたんじゃ。」


「そうか。爺さん、お孫さんを助けたいよな。」


「何故。当たり前の事を聞く?

藁にも縋る思いとはこう言う事を言うのじゃろうな。」


「じゃぁ藁に縋った気持ちになって後は俺に任せてみないか。」


乗り掛かった舟とは良く言ったもんだ。


俺は邪魔な防護服の頭巾を脱ぎ捨てた。


近くにいたスタッフが慌てて取り押さえようとしてきたが

影縫いで動きを封じ動けないようにすると

何で動けなくなったのか分からないようで

キョロキョロとしている。


そして患者へと近づいていく。


【名前】鷹宮栞里

【性別】女

【年齢】20

【状態】重症:意識無し/火傷30%⇒43%/欠損:左腕炭化/右脚炭化 


不味いな。


さっきよりも火傷が13%酷くなっている。

取り敢えず今はポーションを掛けた表面だけしか治療出来ていないようだ。


より詳しく鑑定していくと

体の深部が火傷を負っており内側までひどい状態だ

なんでこんな状態なのかは知らないが今は一刻を争う状態だ。


回復魔法をかければ一発で治るのだが迷宮の外でも魔法が使えるのは当然として秘密だ。

ポーションも飲ませていないのに脚が生えてきたら誤魔化しが効かなくなるので

ランク2のポーションを2本とも取り出し治療する事にする。


◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇


意識が無いのでポーションを飲ますことが出来ない。


仕方が無いので<ハイヒール>をかけながらポーションを口移しで飲ませる事にした。


≪ハイヒール≫


唇から喉へと火傷が少しづつ回復していき

ポーションが喉の奥へと流れ込んでいく。


1本目を流し終えたところで変化があった。


体の傷が全て消え

欠損していた左肩の辺りから光の帯が伸びていき

それは次第に腕の形へとなっていった。

そして光が消えるとそこには腕があった。


【名前】鷹宮栞里

【性別】女

【年齢】20

【状態】障害:意識混濁/欠損:右脚炭化 


周りのスタッフたちがギャーギャーと騒ぎ出しうるさくなった。


代わりに医者と爺さんたちは驚愕の表情で口を開いて茫然としている。


ランク2のポーション1本で1箇所の欠損を完治させるみたいだ。


2本目も同じように<ハイヒール>をかけながらポーションを口移しで飲ませる事にする。


≪ハイヒール≫


2本目を流し終えたら更に変化があった。


身じろぎをし始めた。

意識が戻って来たみたいだ。


このままキスをしていたら

驚いて殴られるかもしれないな。


近くにあったシーツを取ると体にかけて

少しベッドから離れて様子を見る。


太股の付け根から先の欠損していた右脚も同じ様に光が治まるとそこにあった。


【名前】鷹宮栞里

【性別】女

【年齢】20

【状態】健康


瞳が開いた。

思っていた以上の美人さんだった。


これで大丈夫だ。


良かったな。


俺は、スタッフの影縫いを解くと爺さんたちに場所を譲る。


爺さんと両親が慌ててベットへと駆け寄っていく。


爺さんなんて、ワンワンと子供のように泣いている。


俺も今日は疲れたから

ここで、おさらばさせてもらおう。


≪隠密≫ ≪気配遮断≫ ≪忍び足≫ ≪影渡り≫



気に入られたらブクマ、評価をよろしくお願い致します。

継続して書き続けていく自信が欲しいので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ