第35話
第35話
「この応接室で会われるそうだ。」
支局長の丸山がドアを開けて入っていく。
奥にはさっき見かけた背広を着た白髪の壮年男性が座っていた。
俺も続いて入っていく。
丸山が壮年男性の隣に座ったので俺は向かい側に座る。
「貴方がポーションを売ってくれると言うダイバーですか?」
「あぁ。」
「出来れば全て売って頂けないでしょうか。金額は3倍まで出しましょう。」
「いや金額は2倍で良い。ただし条件がある。」
「先程聞きました。どのような条件でしょう?」
「ポーションを使って治療するところに立ち会わせてほしい。」
「それは出来ませんね。3倍、いや、4倍お支払いしますから売ってください。」
「ちゃんとした理由があるんだよ。丸山さんこの部屋のセキュリティは?」
「ここはお偉いさん専用だから万全だ。」
「お二人とも口は堅い方ですか。」
「もちろんこんな仕事をしてますからね。
例えどんな方でも了承を得られない限りは契約以外の情報を漏らしたりは決して致しません。」
「私もです。私は守秘義務がありますからね。」
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
「取り敢えずこれを見てくれ。」
俺はランク3のポーション2本をカバンから取り出した。
「「それは?」」
「ランク3のポーションだ。」
「「ランク3!!」」
「本物ですか?」
「あぁ待ってください。ここに鑑定版がありますから載せて頂きましょう。」
俺は2本のポーションを鑑定台にそっと乗せた。
【ランク3ポーション】×2
「本物です!!」
「ぜっぜひ、ぜひ、売ってください。」
「で、さっきの条件です。これを使用するところを見たいんです。」
「理由がわかりました。
すぐに御前に相談してみましょう。
了承を取るためこの事は伝えても構いませんか?」
「あぁ。俺の事が特定されず
迷惑がかからないように出来るんだったら後はどうでもいい。」
「もちろんです。」
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
「許可が出ました。ただし今から見る事、聞く事は決して漏らさないと誓ってください。」
「それはお互い様だから約束は必ず守るさ。」
「ではこちらがポーションの代金となります。」
【ランク5ポーション】200万×26本
【ランク4ポーション】300万×13本
【ランク3ポーション】64億×2本
¥12,891,000,000- 128億9100万円
2倍じゃなくて通常価格でいいと言えば良かったかもしれない。
俺は何十回生まれ変わったとしても、
使いきれない大金を手に入れてしまった。
気に入られたらブクマ、評価をよろしくお願い致します。
継続して書き続けていく自信が欲しいので。