第32話
第32話
俺が迷宮の外に出て
取り出した缶コーヒーを飲みながら一服していると
迷宮からダイバーグループが集団でぞろぞろと出て来て監視所棟に向かっていった。
多分だが俺みたいに空間収納は持っていないから
賃貸更衣室を契約して武器なんかを置いているのだろう。
朝には見かけなかったから俺が潜った後に入ったか
俺が潜ったところより下を探索してたんだろう。
もうすぐ日が沈む。
迷宮が変化する時間の始まりだ。
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
そう言えば最近というか根利間支部以降
まったく迷宮管理局に顔を出した覚えがない。
そもそも戸夜嶋支部の初心者講習に行った覚えがない。
まずいだろうか。
今日稼いだドロップ品の一部を出して
初心者講習が必要無いことを見せつけて
免除にならないか聞いてみよう。
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
戸夜嶋支部の中に入ると
なぜか空気がピリピリしていた。
カウンター奥では職員が駆けずり回っている。
それに職員がこの前の倍はいる気がした。
何かあったんだろうか?。
何故かさっきすれ違ったダイバー達だと思われるグループが
普段着に着替えて買い取りカウンター奥の職員席で
背広を着た白髪の壮年男性と話し込んでいた。
まぁ、気にはなるが俺には関係ない事なので
買い取りと初心者講習の件を何とかして貰って帰るとしよう。
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
買い取りカウンターの方へ行くと
俺のダイバー登録をしてくれた女性がいた。
あの時は登録の受付係だったが
今日は買い取り係らしい。
みんな忙しそうだから
きっと手伝いかなんかで入っているのだろう。
丁度いいので初心者講習の件も聞いてみようと思う。
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
「買い取りをお願いします。」
「はい、この台に買い取りするものを乗せてください。」
「えっと、少し大きいですけど大丈夫ですか。」
「入らないなら横のこの大きな台の方へとお願いします。」
そう言われたので、用意していた袋から
スケルトンの鉄剣を20本
ホーンラビットの角10個
ワイルドボアの皮5枚
ファングウルフの牙8本
バーサークベアの肝4個を次々と出していく。
しかし置けそうにないのでそう伝えると、
引きつった顔をして隣の置き場も開けてくれた。
折角の美人さんなのに少しだけ台無しだ。
気に入られたらブクマ、評価をよろしくお願い致します。
継続して書き続けていく自信が欲しいので。




