第3話
第3話
あれから直ぐに目指した場所にたどり着いたのだが
道はどんどん細くなり天井がどんどん低くなってきて
行き止まりになっていた。
しかしながら行き止まりは行き止まりなのだが?
さっきの場所から見えていた紅い光は
通路をふさぐ大きな岩の隙間から漏れてきていたみたいで
例えるなら日乃本神話に出てくる天の岩戸。
休憩済ませて速攻帰るつもりだったんだけど
せっかくここまで来たんだから何かしらの収穫がほしいと欲が出る。
それに向こう側がどうなっているのかとても気になる。
俺の力でも全体重をかけて肩で押せば向こう側を覗くくらいの隙間は作れそうな気がするし。
とりあえず
やれるだけやってみるか。
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
始めは向こう側に何度か押したのだが
びくともしなかった。
次にこちら側に出っ張った部分を横に押してみると2㎝くらいだが動いた。
しかし、まだ向こう側は見えそうにない。
隙間が広がったことで紅い光が少しだけ強くなった気はするが。
もう一度、さらに力を入れて押してみる。
動かないのでさらに力を込めて押してみる。
そうすると、引っ掛かりが取れた時のような音がして
ギリギリ頭が入る広さに大岩が動いた。
「うわっ・・・・・・」
思わず声が出てしまった。
まるでサウナのドアを開けた時のような熱風が隙間から押し寄せてきた。
暑い。
いや、熱いか。
とにかく暑い。
そして、向こうに見える景色は真っ赤に燃えているように揺らめいて見える。
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
明らかに危なそうだが好奇心には逆らえない
少し覗くくらいなら大丈夫だろう。
地面に這いつくばり隙間から無理やり頭を入れてみる。
すると、向こう側には地面が存在していなかった。
下からくる熱気に顔をを向ければ
遥か下方には噴火口のような溶岩の海が広がっていた。
どおりで暑いわけだ。
その空間は通ってきた通路に比べると無駄に広く
ドーム球場を縦に2個並べたくらいの広さがあるのでは無いだろうか。
何のために迷宮にこんな場所があるんだろう?
こんな場所あっても人間は来れないだろに。
それに魔物だってこんな場所で生きていけるのかよ?
生きていけるとしたら
いったいどんな魔物なんだ。
まあ、人間のために迷宮があるわけじゃないだろうし
未だに何故。
迷宮が誕生したかなんて知ってる人はいないと思うから考えるだけ無駄だけどな。
あぁ~あ。やめだやめだ。
もおぉこれ以上ここにいてもしょうがない。
帰るとするか。
出来れば、進むにつれ評価を頂ければ、
書き続ける自信になりますので、よろしくお願いいたします。