第23話
第23話
迷宮管理局根利間支部は
まだ営業しているようで
窓にはちゃんと明かりが灯っていた。
ドアを開けると
受付にはおばちゃんが
後ろの席には上司と思われるおじさんだけがいて
建物の中には2人しか居なかった。
中に入ると、こんな時間に何の用だと
訝しげな顔をしてこちらを見るので
さっさと買い取りだとおばちゃんに話しかける事にした。
「そこの根利間迷宮のドロップ品の買い取りをお願いしたいんだけど。」
「あんた!!もしかして今日潜るとき監視所のばあさまに会わなかったかい。」
「ああ会ったよ。気を付けるように言われたよ。」
「ばあさまが帰るとき心配してたよ。まだ戻って来ないってね。」
「それはすまない事したな。無事だったと伝えてくれないか。
それで買い取りなんだが出してもいいかい。」
「あぁあぁこの鑑定台の上に出しておくれ。」
なので、台の上にジャラジャラとドロップ品を出していく。
置き場が足りなくなってきたのでそう言うと
後ろのおじさんを呼んできて
隣の受付を開いて次々と鑑定と査定をこなしていく。
金の塊、白金の塊、宝石は広間型階層で大量に手に入れられたので
かなりの金額になると思っている。
するとおじさんが話しかけてきた。
「かなりの量のドロップ品だけど1年分でもまとめて持ってきたのかい。
出来ればもっと早い時間に持ってきてほしかったよ。
それに白金の塊は他の迷宮の分だよね。」
「いや。今日の分だけだし
そもそも全部根利間迷宮産だぞ。」
「それはない。根利間迷宮では白金の塊は取れた事がいままでないんだよ。」
「いや、いや。5階層の広間型階層で巨大蛾を倒したらドロップするんだって。」
「えっ!!。見たことはないけど
天井付近を飛び回って痺れ粉をまき散らすって言う巨大蛾だよね
倒したのかい。
今までいろんな人が挑戦したけど攻撃が届かなくって断念したっていうのに。」
「ああ。」
「そうか。それだけの事が出来るダイバーなら
これが全部今日だけの分のドロップ品てのは眉唾だとしても
この量自体は納得ってもんだ。
あんた見かけによらず凄いダイバーだったんだな。
本部には蛾のドロップ品だと申請しておくよ。情報ありがとうよ。」
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
「査定額が出たけど、おじさん、こんな金額初めて見たよ。
帰りは寄り道せずに、まっすぐ家に帰るんだぞ。」
電卓に表示された金額は、¥51,259,640-、なんと5千万円オーバー。
俺もこんな金額初めてみた。
1日の稼ぎでこんなになるなんて。
精々多くても数百万円だと思っていた。
これだけあれば、生活に余裕ができるし、
大学の奨学金は完済できそうだな。
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継続して書き続けていく自信が欲しいので。




