第20話
第20話
どうやら倒壊した蟻塚のあった場所に
下の階層へと降りる階段を影狼たちが見かけたらしい。
情報ではこの階層が最下層だったはずなのだが。
なので生き残った魔物を倒しながら
樹海の中心部へゆっくりと進んでいく。
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中心部にある蟻塚のあった場所にたどり着くと
その姿は面影も無く瓦礫の山と化しており
隙間からは辛うじて生き残った蟻の魔物が這い出てくる。
俺は影狼たちに
隙間から這い出てくる蟻の魔物や集まってきた蜂の魔物をお願いして
下層への入口へと近づいていく。
下層への入口は半分くらい瓦礫に覆われていて
入るのが難しそうなので
ふさいでいる瓦礫を回収する事にした。
ついでに大きな弾丸は持っていなかったなと思い。
周辺に飛び散った瓦礫と塔の跡地の瓦礫の山の回収も試してみることにした。
結果は成功。
土台を残しすべての瓦礫を回収する事が出来た。
これで万が一ドラゴンが現れても口の中に巨大な石を投げこんでやれる。
今度は倒せなくても逃げる時間くらいは稼げるだろう。
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階段を降りていくと正面には両開きで重くて頑丈そうな扉があった。
この迷宮は4階層まで通路型。
5階層は混成エリアの広間型で構成されていた。
その、どちらにも扉は存在しなかったので
この階層はどちらでもない別の型なのだろう。
扉は重く腕力と脚力のステータスが2倍になっていなければ
扉を開けることが出来ずここで断念していただろう。
中に入ってみると
すぐに扉が閉まり閉じ込められてしまった。
どうやら後戻りは許されないらしい。
個室型の階層らしく
テニスコートくらいの広さがあるのだが
魔物が全く見当たらず宝箱の部屋かと見回すが
それも存在していない。
入って1、2分経っただろうか。
突如、危険察知が反応した。
最奥の壁際付近にある地面が輝きだし
治まるととそこには1体の魔物が現れていた。
2mを超える大蟷螂。
エメラルド色に輝く鎌をゆらゆらと動かしながら
巨大な眼球でこちらをじっと見据えている。
気に入られたらブクマ、評価をよろしくお願い致します。
継続して書き続けていく自信が欲しいので。