第17話
第17話
階段から一歩踏み出すと
樹海の中から魔物が集団で現れる。
握りこぶし程の頭を持つ蜂の魔物の集団で
羽音を盛大に鳴らし襲って来た。
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魔物が出てきたら連携して倒すようにと
指示をしていた2体の影狼は
槍の様な影に姿を変化させると
魔物へと突き進んでいった。
そして、敵の直前で急に動きを止めると影から姿を現し
口の中からバチバチと火花をあげる眩い光球を
上空へと打ち出した。
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打ち上げられた眩い光球が
敵の影をくっきり地面へと焼き付けると
継いで上空の光球から稲妻の刃が打ち出され、
敵の影を目掛けて突き刺さっていく。
そして大量にいた蜂の魔物は光の粒となって消え
2体の影狼は消えていく魔物を置き去りに
そのまま樹海の中へと駆け抜けてった。
もの凄く強くないか。
敵の影を攻撃して倒すとは凄すぎる。
それに多対戦でも難なく戦えている。
ただし人の大勢いる所では使用を控えるべきだろう。
よし、俺も負けていられないな
頑張って沢山の魔物を倒す事にしよう。
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昔、最初にこの階層に辿り着き探索したダイバー達が
集団戦闘をしてくる魔物と遥か上空を飛び回り
痺れ粉の鱗粉をまき散らす蛾に嫌気が差して
次の探索時に仲間たちとガソリンを撒いて
この階層を焼こうとした事があるのだそうだ。
しかし、すぐに火は鎮火していき
自棄で放ったダイナマイトも全て爆発しなかったとの事。
そう言う事があり
その後の長年の検証で迷宮が一度危険物と判断した外界の物は
それ以降持ち込めなくなるらしいと言うのが定説なのだそうで。
そして、それよりも前の検証で判っていることは
迷宮の中に銃や刀などの危険な武器類は持ち込めず
中に入ると消えて無くなると言うのが今では当たり前の事らしい。
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と、調べたことをもう一度思い返したのは
森の中の魔物は一旦影狼達に任せて
俺ははるか上空から痺れ粉の鱗粉をまき散らしている
蛾の魔物を倒そうと思っているからだ。
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継続して書き続けていく自信が欲しいので。