第16話
第16話
ここより浅層迷宮の下層域。
今までの通路型から広間型階層に変わり
魔物も集団戦闘型へと移行してくるらしい。
その上魔物出現率(60%UP)なのできっと大量発生するはずだ。
どうせなら【大百足の手甲】と【大百足の臑当】も手に入れたい。
なので、ここで仲間を増やして効率よく大量のドロップと宝箱をゲットしようと思うのだ。
まぁ、増やすといっても人じゃなくスキルで仲間を増やしてしまおうと言うのだが。
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【操影獣作成】
その名の通り実体を持たない影の獣。
しかし、仮とはいえ命を与える為に一体につき魔石を一個必要とする。
基本作成するには低階層の魔石でも充分だが
強力な個体を作成するには上位の魔石を必要とする。
また、作成した個体はスキルの解除と共に魔石へと戻すことが可能となる。
他にも色々と説明が書いてあるが。
≪操影獣作成≫
先ずは魔石を取り出し一体作成してみる為に
使用の許可をだす。
魔石が手のひらから消えると
作成したとアナウンスが流れるが姿をみることが出来ない。
すると、突如頭の中に忠誠と指示を仰いでいるという感情がなんとなくの感覚でわかり
そちらに目を向けて見てみると階段の壁には
荒ぶる気配を携えた、立派な狼の影が映っていた。
再び、忠誠と指示を仰ぐ感情が流れ込んできた為
暫く待つように命じる。
そして今度は魔石を取り出さずに作成する。
3体目を作成しようとしたところでアナウンスが流れてきた。
『これ以上の作成には【演算加速】【並列処理】のスキルを必要とします。
取得しますか<40,000P必要です>【YES/NO】 』
<NO>
取得しようにも明らかにポイント不足で
手に入れた炎龍のドロップ品を全部ポイントに交換したとしても足りない。
それに今後再び手に入れられるかどうか分からないアイテムを
全てを失う事になるので
今後の事を考えると今回は一旦諦める事とする。
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俺は階段を。
2体の影狼は壁に姿を映し出し浅層迷宮の下層域へと降りていく。
そして、最後の階段を踏み出す前に目の前の光景を確かめる。
鬱蒼と生い茂る樹海に緩やかなカーブを描く高い天井
樹海の中心部には何かの塔であるかのように存在する巨大な蟻塚。
情報に変わりはないようだ。
ここは混成エリア。
複数の環境に複数の魔物が集団で存在する危険地帯。
気に入られたらブクマ、評価をよろしくお願い致します。
継続して書き続けていく自信が欲しいので。