第12話
第12話
今日から迷宮に潜るのだが
色々と試してみたい事があるので
人気が無く人が余り出入りしたがらないとホームページに記載してあった
根利間迷宮に遠出をする事に決めた。
朝からバスや電車を乗り継いで
途中、24時間営業のファミレスがあったので少し早めの朝食をとり
今は根利間迷宮近くに在るホームセンタ―に向かっている。
たどり着く頃にはちょうど開店時間になるくらいの時刻だろう。
実は昨日ネット通販で調べて、
スリングショット用のパチンコ玉を購入したのだが
通販の為配送に時間がかかり暫く手に入らない。
なので迷宮に行く前にホームセンターに寄って
代わりになりそうな大量の石粒や釘などを購入しようと思い立った。
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ホームセンターに辿り着くと初期投資だ先行投資だと。
まぁ、なんだかんだとお金が減るのを心配しながら
大量の石や玉砂利に普通サイズの釘から五寸釘
あとはノミ等を数十本程購入した。
台車を借りて駐車場の隅まで運ぶと
人目が付かないように収納した。
それぞれ昨日考えた条件を設定したうえで。
いざ、根利間迷宮へ。
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根利間迷宮は広大な農地の真ん中にポツンとあり。
入口は田舎にあるバスの待合所という感じ。
看板が無ければ通り過ぎてしまった事だろう。
そして、迷宮管理局根利間支部といえば
駐車場には耕運機が何台も止まっいて産地直売所にしか見えない。
情報によるとその実
農地の真ん中にある為
交通の便が悪く人の出入りが少ない為
農協の職員が兼任しているとの事。
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迷宮に入る為に古そうな木製のガラス戸を
ゆっくりとスライドさせて静かに中へと入っていく。
中の様子はというとすりガラス越しの薄暗い光に照らされた
木製のベンチが壁際に
少し脇には今はもう使われていない
だるまストーブが置いてあるだけ。
多分だが使われていない本物のバスの待合所を
何処からか移築してきたのではないだろうか。
そして奥の迷宮入り口の階段横には
下町のタバコ売り場のようなカウンター席があり
まるで置物のようなしわくちゃな
おばあちゃんが座っていた。
もし、建物に入る前に建物の中から既に迷宮だと言われ
おばあちゃんは魔物だと言われていたら俺は迷う事なく信じた事だろう。
まぁ、暇なお年寄りを監視員にしてるんだと思うんだが。
今は眠っているようで身動きしない。
その前を俺は静かに通り過ぎる。
「気をつけな!!無茶するんじゃないよ!!」
突然、目を開いたおばあちゃんが俺に注意を投げかけてきた。
どうやら寝ている訳ではなかったようだが
突然、声を掛けないで欲しい。
驚いた拍子に心臓が止まるかと思った。
「俺は臆病者だから無茶な事はしないよ。」
軽く後ろ手を振り
返事をしながら階段をゆっくりと降りていく。
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継続して書き続けていく自信が欲しいので。




