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第11話

第11話


翌日の朝は少し遅く出社する事にした。


普段通り出社したところで仕事をする訳では無いし

当然、総務なんかは朝一のメールを確認してから仕事に入るから

早くいっても手続きをしてくれない

なのでゆっくり出社する。


何度かスマホに会社からの連絡が入っていたが

五月蝿(うるさ)いので着信拒否して無視する事にした。


◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇


普段より二時間遅れて出社して

総務に退職届を提出した。


せめて、三か月前に連絡してくれと文句を言われたのだが

これで足りるだろうと申請しても通らなかった有給休暇の申請届を叩きつけ

ついでに大声でその場にいる部外者にも聞こえるよう

時間外労働手当の未払いを支払うように怒鳴りつけた。


そしてこれが肝心と上司のミスや不正と

あとどんな無茶をさせられたのかも

少しぼかしてチクってやったら

総務の担当は顔を引きつらせていた。


なんだかんだ時間はかかったが

無事申請は完了して晴れて部外者となる事ができた。


そして、仕事の取引先には退職したので

今後担当が変わるからよろしくと連絡した。


◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇


自分の机に行くと出社したらすぐ来るようにとの

メモがあったが無視して自分の荷物を整理していく。


とは、言っても

机の上の物を一度引き出しに放り込んで

他から見えないように【空間収納】にまとめて取り込むだけ。


荷物も片付いたので

同じ部署の奴らに退職した事を報告して帰ろうとしたら

バカな元上司と取り巻き連中がのこのことやって来た。


誰か、俺が来たのを連絡したらしい。


俺はまだ、退職の報告をしてないから

只立っているだけなのだが

どうやら元上司は遅れて出社してきた事の言い訳をするために

ここにいると勘違いしているみたいだ。


「おい、風祭。今何時だと思っている。

電話にも出ないし遅刻しても謝罪に来ないし

お前は社会人としての自覚があるのか。

それに、昨日は休みにしてやったんだから

ちゃんと薬草は手に入れてきたんだろうな。」


こいつは何を言ってるのだろう。


「お前は馬鹿なのか。

自分のミスを誤魔化す為に

早く薬草が手に入ったかどうか知りたかっただけのくせに。

大体、昨日は日曜日で休みなんだから

薬草なんて取りに行く訳が無いだろうが。」


「なっなに。

採っても無いのに出社して来たのかふっふざけるなよ。

今日が納入日なんだぞ。

いっいったい誰が責任をとるんだ。」


こいつやっぱり馬鹿だ。


「当然、ミスしたのはアンタじゃないか。」


「お前は上司になんて口をきくんだ。

お前なんて今回の責任を取らせてくっクビにしてやる。

今から、謝罪しても遅いからな、絶対に許さんぞ。」


周りの奴らの緊張して引きつった顔が面白れぇ。

笑いをこらえるのが大変だ。

きっと俺が折れて謝ると思ってんだろうなぁ。


真っ赤な顔して驚きと怒りで血管が今にも切れそうだな。


うざいし、そろそろ種明かしをしておさらばするとするか。


「お前も良く聞いとけよ。

あぁ、皆さんも気になってるようだから良く聞いといてください。


今日の俺は私用で来ただけで出勤した訳じゃないんですよ。

さっき退職届を出して受理されましたからね。

だから私物を取りに来ただけなんです。


俺はこの会社との縁が切れましたが

残られる皆さんは引き続き定年するまで頑張ってください。


あと、発注ミスの件と業者との取引で横領とか賄賂とかがあるみたいって

総務にチクってますから取り調べが入ると思います。


なのでクビにならないように

関係者の方々は頑張って対応してください。

いままでお世話になりました。」


◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇


あぁ~スッキリした。


あれだけ息巻いて怒鳴ってた癖に

急にあいつと取り巻きの連中ら

真っ青な顔して下向いて震えだしていやがんの。


まぁ、あいつらがいなくなったら

残った他やつらも少しは仕事がやりやすくなるからいいだろう。


良い仕事をした。



気に入られたらブクマ、評価をよろしくお願い致します。

継続して書き続けていく自信が欲しいので。

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