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モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!  作者: すみ 小桜


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◆083◆再戦

 「どきな!」


 男が剣を振り上げて来た!

 ジーンが飛びかかるも軽く交わし、ジーンの腹に蹴りを入れて吹き飛ばした!


 『ぎゃん!』


 そのままジーンは、木に激突する!

 そうだった。こいつジーンより強いんだった!

 イラーノさんは、一歩後ろに下がった!


 「大人しくついて行くからこの人には手を出さないで!」


 僕は、イラーノさんの前に立ちはだかった!

 でも男は、ニヤッとすると剣を振り上げた!


 「え……」


 僕を殺す気!?

 予想外だった!

 チラッとジーンを見ると、よろっと立ち上がってこっちに走って来るところだった! 間に合うか微妙だ!

 僕がどければ、イラーノさんが殺される!


 ガツン!!

 フッと突然湧いたように目の前に黒い影が!

 いや、地面から出て来たサァンドサーペントのサトンだった!


 『大丈夫か(ギャウ)? 遅くなった(ギャウ)


 「サトン! ありがとう!」


 「はぁ? サーペントだと?!」


 男は、驚いて後ろに下がった。そして、手が痛かったのか右手をさすっている。

 サトンって凄く硬いんだ……。剣を弾き返したもんね。


 『情けないな(ギャウ)ジーン(ギャウ)


 『面目ない(ギャウ)


 「ううん。ジーンがいて助かったよ!」


 そう言うとジーンは、はちきれんばかりに尻尾を振った。嬉しいらしい。


 「っち。分が悪いな」


 「クテュール!」


 驚いて声の方を見ると、ナットスさんだ!

 なんで、ここに!?


 「っち!」


 男は、突然ナットスさんに向くと切りかかって行った!

 それを何とか交わすと、ナットスさんは剣を抜いた!


 「お前達は、そのモンスターと一緒に逃げろ!」


 「はい」


 僕は、返事を返すと駆けだした。

 イラーノさんも走り出し、ジーンも僕のあとを追って来る。


 『自分は加勢する(ギャウギャウ)


 「うん。お願い! サトン」


 サトンの申し出に素直に頷いた。

 さっきジーンが言っていた隠れている相手も出て来るかもしれない。もしかしたら僕達の方に来るかもだけど……。


 そんなに森の奥じゃない。走ればすぐに森から出れた。

 一応人目につくし、襲ってはこないだろう。

 道には、人はいないけどね。


 「はあ。はあ。もう大丈夫かな?」


 「たぶん……。ごめんね。巻き込んで」


 ううんとイラーノさんは、首を横に振った。

 結局、父さんの事は聞けなかった。

 ナットスさんが、あの男を捕まえてくれるといいけど……。


 「あぁでも、これでギルドマスターに大目玉食らうね」


 「あ! ごめん!」


 助かったけど、凄く怒られるのは確定だ!


 『クテュール(ギャウ)


 って、地面からサトンが出て来た!

 びっくりした。この登場の仕方は出来るだけ控えてもらおう。


 『終わったぞ(ギャウ)自分の出番はなかった(ギャウギャウ)


 「ありがとう」


 そっか。ナットスさんが捕まえてくれたんだ。

 安堵して、ナットスさんを僕達は待った。

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