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モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!  作者: すみ 小桜


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◇076◇真の狙い

 倒れていた人は、冒険者ギルドの警備担当の冒険者だった。こういう事態の時もここに残り警備する。

 でも、ゴブリンは、ここには来ていないと思うんだけど……。


 もしかして、あの男が牢から抜け出して、鉢合わせしたから殺された!?

 でもなんていうか、殺し方が残虐だ!

 お腹が、血で赤黒くなっている。直視出来ない!

 でもどうやって、抜け出したんだ?


 「行くぞ」


 立ち上がったロドリゴさんが言った。その顔つきは怖かった。

 仲間が殺されたんだから怒って当然だ。

 地下牢に降りる階段を降り、ある程度進むとロドリゴさんが立ち止まった。

 そこの牢のドアは、ひしゃげていて壊れていた!


 これ、どっちかというと、外から壊してないか?

 そう思って牢の中を覗いた。


 「ひい……」


 無残に殺された男が壁によしかかる状態で事切れていた!

 何故、この男がここで死んでいるの?

 じゃ、さっきの人は誰に殺されたの!?


 「やっぱりな……」


 ロドリゴさんが呟いた。


 「やっぱりって?」


 「彼も茶色い髪だろう?」


 僕が聞くと、ロドリゴさんがそう答えた。確かに茶色だ。赤茶。


 「じゃ、あの人もこの男もゴブリンが殺したの!?」


 「いや、違うだろうな。そう見せかけた……」


 ダイドさんが、答えた。

 見せかけたって、誰がそんな事を?


 「そもそも結界は、装置によって張られている。街の中に二か所あって、万が一に一か所が壊れても直ぐには消えない様に出来ている」


 「そういえば、イラーノさんが結界が壊れた事に気が付いていたっけ?」


 「魔力が強い者は、結界が見えるらしいからな」


 僕の呟きに、ロドリゴさんが答えた。

 つまり、結界の装置は内側にあってゴブリンには壊せない。それに、二か所同時に壊れないと、結界は消えない!

 誰かが意図的に、結界の装置を壊した事になる!


 「ゴブリンは、誘導か? 本来ならゴブリンリーダーが殺しに来ていたのか?」


 「いや、誘導だけじゃないだろう。上手くいけば、クテュールも殺そうとした。だが、この男は確実に殺す気だったんだろうな。モンスターに頼らずに自らの手で殺しておいた。口封じだろう」


 ロドリゴさんが、ダイドさんにそう返す。


 「わざわざ斧で殺しているところを見ると、ゴブリンが殺した事になる予定だったんだろうな。まさか、追い返させられるとは相手は思ってなかったんだろう。だが、これでわかった! やはりまだ、冒険者の中に内通者がいる!」


 「そっか。警戒態勢だったからあいつらは入ってこれない。最低二人か……」


 ロドリゴさんが言うと、ダイドさんも頷いて言った。

 それなりに離れた場所に結界を張る装置があるんだろう。それを壊したとなれば二人で壊した事になる。


 ザザザ。

 何かが擦れる音に僕達は、驚いて振り向いた!


 「あ、サトン。ジーンも。着いてきていたんだね……」


 帰すの忘れていた……。

 二人はかわいく首を傾げた。うん、傾げた様に見えた!

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