◆075◆新しい友達のサトン
ロドリゴさんは、何か言いたげに僕を見ている。
「えっと。この子はサトンです。助けに来てくれたみたい」
「眷属にしていたのか……」
説明すると、ロドリゴさんが驚く。
していないけど、それ言ったら大変な騒ぎになりそう。
眷属にしなくても襲ってこないみたいだし。
チラッとサトンを見ると、つぶらな瞳で僕をジッと見ている! いやそう見える!
「えっと、ありがとうね。サトン」
僕は、サトンに近づく。
ロドリゴさんは、ひやひやして見ている。
ゴブリンを攻撃して、僕達を助けてくれたんだから大丈夫だって!
僕は、サトンの頭? を撫でる。
すると、細い舌でちろりと頬をなめられた!
そして、ジッと僕を見ている。これってお友達の儀式だよね?
僕とお友達になりたいの? いや、いいんだけど……。
チラッとロドリゴさん達を見れば、僕がなめられた事に驚いている。
さて、どうやってキスしようか……。
うーん。抱き着いちゃえ!
「おい!」
流石に驚いたロドリゴさんが、声を発した。
僕は、抱き着いた隙にちゅっとつぶらな瞳にキスをした。
あぁ、このかわいい瞳。たまらない!
「やっぱりお前、変人だわ」
呆れた様にエジンが言っている。
「うるさい! 助けてくれたお礼をしてるの!」
僕は抱き着いたまま、そうエジンに言った。
「と、取りあえず、離れろ。そして、こっちに来い」
流石にロドリゴさんに注意されてしまった。別に怖くないのになぁ。
仕方なく、サトンから離れ、ロドリゴさんの横に行くと、皆は安堵していた。
「で、操っていた奴は誰だか言っていたか?」
「あ! すみません。聞くように言うのを忘れました」
ロドリゴさんに言われて、ダイドさんは始めて気が付いたようだった。
まあ、そんなところじゃなかったもんね。
「やっぱり、リーダーがバサークを掛けていたんだな?」
「たぶん。茶色の髪を狙えとも言ってあったみたい。僕やナットスさんが襲われて」
「そういう事か。無差別ではないとは思っていたが……。茶色の髪!?」
ハッとしたように、ロドリゴさんが突然走り出した!
ダイドさんもロドリゴさんに続く。
「ナットス! 住民達を頼む。俺は牢を確認しに行く!」
「了解です!」
ロドリゴさんは、ギルドに向かいながらナットスさんに叫んだ。
「行くぞ。お前達」
ナットスさんが、エジン達に言って、中央の公園に向かう。
僕は、ロドリゴさん達が気になるので、そっちについて行く。
「おい! クテュール!」
ナットスさんが叫んでいるけど、気になるからごめんなさい!
ギルドの奥でロドリゴさん達が立ち止まっている。
そこには、横たわっている人がいた。
「しっかりしろ! くっそ!」
ロドリゴさんが、倒れた人に声を掛けるが反応が無い。
もしかして死んでいるの? なんで?
ロドリゴさんは、床をぐうで叩いた――。




