◆069◆ゴブリン襲撃
びっくりした。リリンにも勝手に村や街に入ったらダメだって言わないとな。
でもその前に、何があったか聞くかな。
「で、どうしたの?」
『森がモンスターに襲われたの! 動物たちも襲っていて……クテュール助けて!』
助けてと言われてもな。僕は、弱いんだけど……。
「ねえ、襲ってきたのって、ゴブリンだった?」
『え? うーん。クテュールの様に立っていて武器を持って振り回しているの! モンスターなのはわかるんだけど、私達と言葉が違うみたいで何を言っているかわからないの』
うーん。二足歩行みたいだし、ゴブリンかも。ここだけじゃなくて、森も襲っているのか?
一体何が起きているんだろう?
モンスターって、言葉は全共通かと思ったけど違うんだ。リリンとジーンとキュイは、違うモンスターなのに言葉がわかってるみたいだけど不思議。
取りあえず、ナットスさんに伝えよう!
僕じゃ、どうにもできない。
「あのね。僕では無理だから応援を頼むよ。だからしゃべらないで大人しくしていてもらっていい?」
『わかったわ』
リリンを体が隠れる様に抱きかかえ、僕は広場に戻った。
「お前、何勝手にどっか言っているんだよ!」
エジンが文句を言うもスルーだ!
街の住民に色々話をしているナットスさんを見つけ、僕は急いだ。
「あ、無視すんなよ!」
「ナットスさん!」
「君はもう! 勝手な行動はするな!」
「ごめんなさい! それよりレッドアイの森も襲われているみたいなんだ! 何とかできない? 動物も襲われているって!」
「何!? しかしなぁ……」
「あ!」
突然、イラーノさんが叫んだので、僕達は振り向いた。
「結界が!」
「結界?」
「まさか……!」
結界がどうしたんだろう?
「きゃー!!」
住民の一人が叫んで指さした。そっちを見れば、見たことが無いモンスターが!?
え……結界がって、壊されたって事だったの!?
現れたのは三体だ!
濃い緑の体に腰に布を巻いている。手には刃はボロボロだけど斧を持っている!
「何で、斧なんて持っているんだ……」
ナットスさんは、ボソッと呟いた。
普通は持っていないのかな? って、ギラギラした目でこっちを向いた!
「皆逃げて!」
ハッとしてナットスさんが言うと、住民たちは街の中心に向けて走り出した!
逃げ場所はそっちしかない。
「くそ! エジン、リゼタ、戦闘準備だ!」
「え! 俺達も戦うの?」
「当たり前だ!」
ナットスさんに言われ、エジンは青ざめる。
そう言えば、モンスターと戦った事ないって言っていたっけ?
まあ、ジーンとは手合わせしているけどね。
僕の前に何故かリゼタが立った!
「大丈夫! あなたは、私が守る!」
うーん。エジンより頼りになりそうだけど大丈夫かな?




