◆065◆アーツたちとの出会い
「で、話は戻るが、アーツはこの国に来て仲間を探していた。気のいいドドイは、彼の仲間にしてほしいと言う願い出を受けた。そして、一緒に依頼をこなしていたんだ」
「ある日、モンスターに襲われた。普通ならいない場所に出現したんだ。そこに手助けに現れた冒険者がいた。あいつらの仲間だ。勿論その時は、俺達はそんな事知らない」
ロドリゴさんに続き、ダイドさんが続いて話した。
ここまで聞いて、計画性が伺える。
アーツがテイマーなら好きなタイミングで襲わせる事が出来る。そして、ピンチになった時に、仲間が助け出す。そうすれば、信頼を得る事が容易に出来たはず。
「私は、あまりにもタイミングが良すぎるのでおかしいと思った。そこで探りを入れて見たら、アーツと助けに来た者達が繋がっていた。でも暫く泳がせる事にしたんだ。我々に近づいた目的がわからなかったからな」
「勿論、ドドイにも話した。そして、あいつらの目的がわかった。神秘のカギを探していた」
「カギ!」
ダイドさんの言葉に、僕はハッとした。あの二人組が探していたのはカギだ!
ところで、神秘のカギって何だ?
「その、神秘のカギって?」
僕が聞くと、驚く事に二人共首を横に振った。知らないと言う。
「向こうが勝手に持っていると思っていただけだ。エルフという種族がいる楽園のカギらしい」
「エルフ……?」
「人間と同じく知能を持った者だ。見た目もほとんど変わらないと言われているが、目にした者はほとんどいない」
「どうやら彼らは、場所を突き止めたがカギがないと入れないと情報を仕入れ、その場所付近に居た我々がその楽園に行ったのではないかと、勘違いをしようだ。それで、我々がカギを持っていると思っている」
ダイドさんが、エルフの説明をすると、ロドリゴさんが相手が勘違いをしていると話した。
今もそう思っているから僕を襲ったって事?
父さんが持っていなかったから僕に渡したと……。
「じゃ、父さんは、教えてくれないから殺されたって事?」
「そこがよくわからないんだ」
僕が聞くと、ダイドさんからわからないと返って来た。殺された理由は知らないって事?
「私は、アーツが魔物の谷付近で目撃された事を掴んだ。そこでアーツがテイマー説が浮上した。鑑定師を連れて彼を訪ねたが一足遅かった」
「アーツは、ドドイも連れて出掛けた後だったんだ! やっとどこに行ったか聞きだし向かった先が、魔物の谷だ!」
怪しい人物だと知って、何故ロドリゴさん達と一緒に行動しなかったんだよ! 父さん!




