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モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!  作者: すみ 小桜


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◇062◇人間なんて信じられない!

 「ドドイを……殺し……たのもこいつ……らだ!」


 「貴様、何を言っている!」


 え? ロドリゴさん達が父さんを殺した!?

 赤茶髪の男が、何とか発した言葉にロドリゴさんは怒鳴った。


 「こんな奴のいう事を真に受けるなよ」


 ダイドさんがそう言うも、不安になる。二人は、僕の行動を見張ると言っていた。


 「………」


 「君は、ロドリゴさん達よりこいつの言う事を信じるのか!?」


 僕が黙っていたからか、ジェスロさんが驚いて言った。


 「……人間なんて……信じられない……」


 僕はそう答えた。

 そして、ギュッとジーンを抱きしめる。ジーンは、嬉しそうに目を細めた。


 「彼らの方が、ずっと信用出来る。人間は、平気で貶める……」


 エジンだって理不尽な理由で僕を殺そうとした。しかも、平然として僕の側にいる。


 「同感……だ。……俺も人間……よりもモンス……」


 「黙れ!」


 「ぐわぁ!!」


 「ダイド! やめろ!」


 赤茶髪の男が僕に賛同すると、ダイドさんが彼を踏みつけた!


 「クテュール。一つ言っておく。ギルドもこいつらの仲間も、君がテイマーだと知っている。君の行動一つで、君の身に危険が及ぶ」


 「危険? それってギルドが僕を殺そうとするって事?」


 「あぁ、そうだ。残念な話だがな……」


 「っは。残念って……なんだよ! 自分で……あいつを殺し……ぐわぁ」


 「ダイドやめろ! 一々挑発に乗るな!」


 またダイドさんが踏みつけた!

 ロドリゴさんが言った通り、ギルドに殺されるかもしれない。たぶん、あの男が言っている事は本当なんだ。

 危険人物だと判断されたテイマーを二人が(あや)めたのかもしれない……。


 って、まさか父さんもそれに加担していたんじゃないよな?


 「ねえ、父さんが死んだ理由って何? 魔物の谷に挑んだって本当?」


 「誰に聞いた?」


 僕が聞くとロドリゴさんが驚いた顔をして、倒れている男を見た。


 「その人じゃないよ。噂を聞いたの。父さんもテイマー殺しに加担したの?」


 ロドリゴさんは、大きなため息をつくと、首を横に振った。父さんは、テイマー殺しに加担はしていないようだ。


 「知りたいのならギルドに戻ってから話してやる」


 「話すつもりなのか?」


 ロドリゴさんの言葉に、ダイドさんは驚いている。


 「危険すぎる!」


 「変な事を吹き込まれるよりマシだ!」


 「大丈夫。僕は、その男の言葉は信じないから」


 この男は、ジーンを殺そうとした。都合のいい事言っているけど、僕を奴隷だと言ったんだ!

 人を人とも思わない奴だ!


 「そうか。取りあえず戻ろう。ジェスロ、お願いがある。クテュールが、チュトラリーだという事は黙っていてほしい」


 ロドリゴさんが、振り向いてジェスロさんに言うと、ジェスロさんは頷いた。その彼にロドリゴさんは、頭を下げた。

 ロドリゴさんは、僕を一体どうするつもりなんだろう。

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