表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/245

◆003◆記憶と共に

 ザザッ。

 僕は、砂利の上に倒れ込んだ!


 「痛~い!」


 両手と両膝をついて、僕は体を起こした。そして振り向く。

 そこには十歳ほどの少年達三人が、ランドセルを背負って立っていた。

 うん? あれ? この子達は?

 って、ランドセル……え?

 何で僕は、あの鞄の事を知っているのだろう?

 そう考えていると、彼らの事を思い出す。


 三人は、同じクラスのいじめっ子だ!

 僕は小学四年生で、十歳?!

 色々、記憶が混乱しているけど、ここは神社の境内(けいだい)だ。

 学校帰りに彼らに連れて来られた。


 「お前本当は、女だろう?」


 そう言って掲げたのは、僕が持って歩いている裁縫道具が入っている手提げかばんだ!

 僕の趣味は、お裁縫!

 バカにするけど、皆だって学校で習ってるのに!


 「返せよ!」


 僕は、取り上げられた手提げかばんを取り返そうと引っ張った!

 相手もニヤニヤしながら引っ張る。っと、パッと相手は手を離した。

 僕はひっくり返る!

 そして、どこかで見た風景が目に入った。手を離した少年から空の風景へ。


 ガツン!

 頭に鈍い痛みが……。そこから暗闇だ!

 あ、僕は死んだんだ! そう思った。

 何で? 僕はただ、好きな事をしていただけなのに!

 もし今度生まれ変わったら、好きなだけ裁縫をしたい!

 僕は、そう願った。ただ純粋に、そう思ったんだ!


 ――不運な少年よ。その願い、ある条件と引き換えに与えよう。


 うん? 誰? 条件って?


 ――今みたいに願う事。運命に抗った時、新しい運命を授けます。


 え? 言ってる意味がわからないよ!

 そんな事言ってないで、助けてよ――。


 あれ? これって……。

 夢? それとも――


 ――運命を授けましょう!


 え?



 ◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆



 ハッと気づくと僕は、漆黒の絨毯の上で寝ていた。そこから見える風景は、空と森の青と緑のコントラスト。

 何? え? どうなって?

 僕は、混乱していた。小学校の頃の僕? あれ?

 で、今、僕はどこにいるの?


 両手を付き、僕は体を起こした。凄い風圧だ!

 髪も服も、風でバサバサとなびいている。

 僕はどうやら空を飛んで、いや正確には、飛んでいるものの上に乗っかっているみたい。


 大きな鳥だ! 漆黒の鳥!

 その鳥は、僕を乗せ空を飛んでいた。

 っと、羽ばたいていた翼を広げたまま、急降下を始める!


 「うわぁ!」


 慌てて僕は、張り付くように掴まった。

 急降下するその先を見て僕は驚いた! 人がいる!

 崖の上に尻餅をついた人……あれって、エジン!?

 そうだ僕は、彼に殺されかけたんだ!

 エジンは這う様に逃げ出すと、走り出し森の中へ逃げて行った!


 『全く。どうしてこんな所に人間の子供が……』


 え?! しゃべった!?

 この鳥ってもしかして、いやしなくてもモンスターじゃ……。

 人間の言葉を話すモンスターって、滅多にいない。

 て、いうか。僕はどうしたらいいの!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ