◇056◇効果絶大
「冒険者が君を襲ったって?!」
ジェスロさんが叫んだ。
父さんの事を知っているみたいだけど、知り合いだったのかはわからない。けど、冒険者なのは確かだ。
「冒険者の証のブレスレットをしていた。何か父さんが持っている物が欲しかったみたいだけど……。今朝家を訪ねて来た冒険者がいたって、母さんが言っていたからたぶんそいつらだと思う」
「怪我は、ないの?」
リゼタの問いに僕は頷いた。
「取りあえず中に入ろう。お母さんも森から戻らないって心配してるから」
「うん……」
「大丈夫。俺もいるから」
ジェスロさんの言葉に僕が頷いてドアを開けて、ただいまと中に入ればがばっと母さんに抱き着かれた。
「もう、心配したのよ」
「えっと、ごめん」
「もしかして、迷子になったの? モンスターに襲われた!?」
いえ、襲ってきたのは人間です……。しかも冒険者! さらに冒険者に襲われたのは二回目です!
「おばさん、大丈夫よ! この子ったらね、これ採るのに夢中になっていたみたいなの」
この子って何?! その子供扱いみたいな言い方!
リゼタは、安心させる為だと思うけど、僕が採取した小さなキノコが入った袋を掲げ見せた。
「……これは?」
「リゼタが、シチュー作ってくれるって言うからさ! それまばらに生えていて、探すのに戸惑ちゃって!」
本当は、群生してます! なので、本当は1分も採取にかかってないけどね!
「ありがとう」
僕は、目を潤ませる母さんに微笑みながら頷いた。
「じゃ、作るわね。おばさんは休んでいて。エジン手伝って!」
「おう! お前はおばさんについていてやれよ!」
「あぁ……」
あんな事言っちゃってるけど、本音はリゼタと二人で作りたいだけだろう。まあ今日は、大人しく食べたら帰るだろう。
そして明日からは僕は、ここから通えばいい。
「クテュール。俺は、ギルドに連絡を入れて来る。戻るまでここに入れよ」
ジェスロさんに言われ僕は頷いた。この人が居なくなるのは心細いけど、エジン達が居れば襲ってはこないだろう。たぶん……。
◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆
食事が終わり僕達は、ジェスロさんを待っていた。
ジェスロさんがギルドに向かってから一時間半近く経っている。きっと後一時間程で戻って来てくれるだろう。
じゃないと、この二人もここに泊まりそうな勢いだよ!
「何だか眠いわ」
「じゃ、もう休んだ方がいいわ」
そう言うと、リゼタはふらつく母さんを支え部屋へ連れて行く。
やばい! キノコが効いてきている。すっかり言うの忘れていたから、本来は一個でいいキノコを鍋に全部入れてしまっていた!
僕の皿にも一個入っていたけど、母さんにあげたから僕は食べてはいない。けどリゼタもエジンも食べていた!
「ぐがぁ~」
いびきが聞こえるとエジンを見ると、テーブルに顔を伏せ寝てしまっていた!
リゼタも戻ってこないと思ったら、母さんの部屋で寝ていた……。彼女には、毛布を掛けてやった。
はぁ……。これ、あの二人来たらやばくないか?
って、朝までぐっすりそうだな。
バタン!
そう思った時、リビングから大きな音が聞こえたのだった!




