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モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!  作者: すみ 小桜


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◇046◇ナットスはお節介

 僕は、目をパチパチと瞬きを何度もして見直した。

 2,000じゃなく、20,000!? すご!

 作って稼げるならそっちの方がよくない?


 「ちと足りないか~」


 僕が驚いている横で、うーんとナットスさんは唸る。


 「あの、何か作って売るっていうのもありですか?」


 「うん? 普通はしない事だ」


 「え? でも……」


 「偶然見つけた高価な物をギルドが窓口になって売るって事はしているが、個人でやるのには、登録が必要だ。しかもレベル5以上の者に限る」


 それじゃ無理じゃないか……。


 「例えば、ヒーラーが個人で治療してお金を取る行為は、レベル5以上になって登録して初めて出来る。俺達は冒険者だ。やってほしいという事をやるのが仕事。だから欲しいという注文があって、それを受けるというのなら問題はないが」


 なるほど。そもそもそんな注文は、ギルドにはこないよね。


 「今回は特例だろう。しかし、君は運がいいんだな。どこで発見したんだ?」


 「………」


 いや発見したんじゃなくて作ったんだけどね。そこは、知らないんだ。

 これは無難に薬草の採取の仕事を請け負ったほうがいいな。一人で行けば、キュイ達にこっそりと会えるんだし。


 「そうだな。よし! いいところを紹介してやる!」


 「うん? いいところ?」


 「この売上金で、ローン返済を行いますか?」


 「いや、全部お金でほしいんだが」


 「わかりました」


 首を傾げているとカウンターの人が話しかけて来た。それにナットスさんは、勝手に受け答えをする。

 うん? ちょっと待って! 勝手に話を進めないでくれるかな? それ僕のお金だよね?


 「では、22,500Zです」


 「ありがとう」


 何故か簡易袋に入れられたお金をナットスさんが受け取った!!


 「ちょっと待って! それ僕の!」


 「大丈夫だ。悪いようにしないから。ついて来い」


 「え!? ちょっとナットスさん!?」


 そのお金どうする気!? って、どこ行く気なの?

 ナットスさんは、焦っている僕にはお構いなく建物の外へ出て行く。慌てて僕は追った。


 「だからどうする気なんですか? そんな大金!」


 「任せておけ! ちゃんと交渉してやるから!」


 「そんな事頼んでないのに……」


 聞こえてないのか、それとも聞こえていても無視しているのかわからないが、歩く事30分。中心街から外れた。

 ちょっと本当にこんな所に来て何する気なの?

 変な取引につかわないでよ!!


 「ここだ!」


 「ここ?」


 建物を見ると、鉱石所と書いてあった。

 えっと、鉱石所って何屋さん??


 「失礼するよ」


 扉を開け、ナットスさんは建物へ入って行く。

 そこにはカウンターがあった。お店屋ではあるみたいだけど……。

 って何を買う気なんだぁ! 僕のお金~!

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