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モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!  作者: すみ 小桜


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◆041◆ギルドに筒抜けです

 僕は、ギルドのカウンターに貰った用紙を持って行った。

 リゼタがそこに出すと教えてくれたからだ。


 「お願いします」


 「はい。ではどうぞ」


 どうぞとは?


 「お前なぁ。証をかざすんだよ!」


 あぁ。そう言う事。

 僕は左手を筒の穴に入れた。筒の中が光ると文字が表示される。


 『支払い:青の月1,000Z/緑の月1,000Z/赤の月500Z』


 「向こう三か月分が表示されるのよ」


 リゼタが教えてくれたけど、赤の月の500Zって何だ?


 「あ、そうそう。保険代金も含まれた表示ね。ローンの支払いは全て、ギルドにするのよ。だからローンで買うと、ギルドにローン金額筒抜けよ」


 と、リゼタは付け加えた。

 なるほどね。ローンで買ってもらってもお店は確実にお金が手に入る仕組みなんだ。


 「では、滞りなくお願いします」


 「はい……」


 それでは部屋に戻りますか。

 すぐ右にある扉を開けて区切られたスペースを過ぎ、正面にある扉を開けると右と左に階段がある。両方とも二階に続く階段だ。どっちから行っても同じだ。自分の部屋に近い階段から行くだけ。

 僕は三階だからもう一つ上がらないといけないけど。


 右の階段を上ると、二人も後ろをついてくる。って部屋までやっぱりついて来た。

 僕は部屋の扉を開ける前にくるっと後ろを向いた。


 「僕これから着替えるから!」


 「じゃ、下で待ってるわ」


 「え……。今日はもう、仕事しないよね?」


 「しないわよ。でもお腹空いたから食べに行きましょう!」


 行きたくないなぁ。エジンが絶対に来るし。

 でもお腹はすいた……。


 「はいはい」


 「もうちゃんと来てよ。待ってるからね!」



 僕は、バイバイと手を振りながら扉を閉めた。

 何か疲れた~。もうリゼタのせいでまたエジンと一緒だ。

 行かなかったら迎えに来るだろうなぁ……。

 今度こそ、組まないと話そう。


 「あ、お帰り」


 ベットに横になっていたイラーノさんが僕に振り向いて言った。


 「ただいま」


 「それ買ったの?」


 「うん」


 「って、それだけ? 最初は投資したほうがいいよ」


 服しか買ってこなかった僕に、イラーノさんはアドバイスをくれた。


 「うん。ありがとう。少し慣れたらまた買いに行くよ」


 そう返して、僕は着替えた。

 そして、財布代わりにしている小さな巾着を服のポケットに入れようとしたらポケットがない!

 鞄はリュックしかない。でも財布だけの為に、リュックを背負うのもなぁ……。やっぱり鞄を買わないとダメなのか。とほほ。


 「ねえ、僕達ちょっと早いけど、夕飯食べに行くんだけど一緒に行く?」


 「いやいい。エジンいるんだろう?」


 「うん……」


 エジン、嫌われているぞ!

 やっぱり三人で食事か……。


 「じゃ、行ってくるよ」


 「行ってらっしゃい」


 僕も横になりたいと思いながら、部屋を出たのだった。

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