◇040◇ローンでお買い物
僕は今、雑貨屋にいる。レベル4以下なら雑貨屋で十分らしい。何故か三人で訪れていた。
もう別々に行動したい。
ナイフっていくらだろうと見てみると、安いので5,000Z! 貰っておいてよかった~。
リゼタの話だと、ローンもあるらしい。最大6回払いまで可能。一年ローンだ。
一年は、緑の月、赤の月、紫の月、黒の月、白の月、青の月の六か月。一か月は50日。今月は白の月で僕の誕生月だ。因みにエジンが黒の月、リゼタが赤の月。
中古のナイフも売っていた。価格は、4分の1で1,250Z。一括のみ。
僕が持っているナイフは、1,250Zの価値があったのか。大切にしなくては。
見て回ったところ、武器は高いけど冒険者の服は武器の半値だ。武器は材料が高いため、高くなるらしい。
エジンはここで、剣と冒険者の服を一年ローンで買って返済中だと言っていた。
僕は、別に今着ているこの服でいいかな……。
「ねえ、クテュール。これなんか似合うんじゃない?」
緑系の服を僕にあてがい、リゼタは頷いている。
勝手に決めないでほしい。
「僕、別にこのままでいいけど」
「何言っているのよ! 冒険者の服って破けにくい生地で出来ているのよ! 燃えづらいし、濡れても乾くのが早いの!」
「そうなんだ……」
力説されてしまった。まあ確かに、聞くと買った方が良さそうだけど。ローンになるな。今持っているお金使っちゃうと、ご飯が食べられない!
「じゃ買うよ。でも、自分で選ぶから!」
「えー! これがいいって!」
何でリゼタが不満そうに言うんだよ! お金出してくれるなら着るけどさ!
僕が選んだのは一番安い上下セットの冒険者の服。黒に近い紫色でベルト付き! それでいて1,000Z! お買い得の服だ!
「これにする!」
「ださ!」
速攻リゼタの言葉が返って来た。いいんだよ。ださくても! それに僕は、鞄も買わなくちゃいけないんだから!
鞄は服より高い! 3,000Z以上がざらだ。安いのはないか~。雨に濡れても大丈夫で軽い素材。
うーん。やっぱり……。
「まだ決まらないのかよ」
「いいや。服だけにする。鞄は、父さんがくれたリュックでいいや」
「何も入れる物がないのに、大きすぎるだろう!」
「別にいいだろう。僕の勝手だ!」
そう言って僕は服だけを会計に持って行く。
「え~。本当にそれにするの?」
「するの!」
今度は、リゼタがブーブー言っている。
「いらっしゃいませ」
「分割でお願いします」
「二回になります。来月と再来月でよろしいですか?」
「はい」
「では、サインをお願いします」
出された用紙は、依頼書の様になっていて切り取り線の上にサインすると、切り取って下の用紙だけ渡された。
僕は、服と用紙を持って冒険者ギルドに向かう。
「あぁ。お揃いが~」
何だよお揃いって……。あ! リゼタの着ていたローブは、淡い緑色だった! 買わなくてよかったぁ!!




