◇028◇テイマーの心得
僕達は、夕飯を買いに村の商店街に来た。
僕を見る度に、お店の人がお帰りと声を掛けてくれた。
思いっきり僕が逃げたした事が広まってるんですけど!
覚えてろよ! エジン!
僕は夕食後、自分の部屋のベットにごろんと横になった。
そう言えば、テイマーの所を読んでおけって言われていたっけ?
手に取った冒険者の書を見て、そう思い出す。
僕はペラペラとめくり、テイマーではなく冒険者を脱退するページがないか探した。
それは最後の方にあった。
一度冒険者登録した者が退職する場合は、リタイア扱いとある。これは理由がどうであれ同じらしい。
怪我や病気で続けられなくなっても、他にやりたいことが出来ても同じで、冒険者の証は回収される。
リタイア後は、冒険者を名乗れないが、剣士だったのならば人に剣を向けてはいけないらしい。まあ一般人よりは強いからね。
魔法使いだった者も許可なく魔法を使ってはいけないようだ。
そして、テイマーは冒険者ギルドの監視が付く事になる……!?
僕は、がばっと起き上がった!
何で? 監視なの?
テイマーの欄を確認してみた。
稀なる能力で、モンスターを操るジョブ。
ジョブの中で、一番危機管理が必要なジョブだ。
テイマーは、一国に一人いるかいないかの割合だと言われている。
テイマーが眷属にしたモンスターは、街の結界に弾かれないようになる為、そのモンスターにも注意が必要だ。
「またテイマーになった者は、人間側だと言う自覚をしっかり持つ事。反旗を翻す様な事があれば、眷属ごと処刑になる事を胸に刻む……事……」
僕は、唖然とした。
もうテイマーを撤回出来ない! そうしてしまえば、監視がつく。そうなればもう、キュイ達には会えない。
「って、何だよ一カ国に一人いるかいないかって!」
これじゃ、加護を付けて貰っても裁縫を思う存分楽しめないじゃないか!
新しい運命は? その為の運命じゃなかったの?
今更だけど、ロドリゴさんの態度もわかった。僕は危険人物だったんだ!
リリン達を友達と呼んでいたし、警戒して当然だ!
僕はまた、ベットにごろんと横になる。
はぁ……。
ため息しかでない。
兎に角、エジンの攻撃を回避する為に、リゼタと組むのだけは何とか断ろう!
後は、周りの信頼を得る様に振る舞って……。
って、何一つ上手くいく気がしないんだけど。
それより、母さんに何て言おう。ぬか喜びさせちゃったな。
「ごめんね。母さん」
母さんの気持ちを最初から知っていれば、冒険者になろうなんて思わなかったのに――。




