◇018◇VSエジン
僕は、エジンを睨み付けるも攻撃する術がない事に気が付いた。ナイフすらない。攻撃が出来ない!
『いた……』
「え? 怪我してるの!?」
リリンの呟きで見れば、前足を怪我している。たぶんエジンの剣で斬られたんだろう。
命の危険があれば、攻撃していいと言われているのに、僕の知り合いだから攻撃しなかったのだろうか?
あんな奴、殺してもよかったのに!
「許さない!」
『覚悟しろ!』
僕が叫ぶのと同時に、ジーンがエジンに向かっていく!
「な!」
突然襲い掛かったジーンに驚くもエジンは交わす。
ジーンは、低く唸って威嚇している。
「お前! やめさせろよ!」
「は? 何で? 襲ってきたのはそっちが先だろう?」
「だから俺はモンスター退治をしていただけだ! 何も悪くない!」
屁理屈ばかりいいやがって!
リリンだとわかっていて襲っているくせに!
「その子は、ちょっと気性が荒いんだ。だからあまり僕の言う事を聞かないんだよね。それに僕達がここに来た理由は、リリンを助ける為だから。僕が止めてもジーンは聞かないよ!」
僕はそう、エジンに言ってやった!
そもそもジーンとは契約していない。だから僕のいう事を聞く義理もないし、エジンに言った様にリリンを助けにここにきたのだから、僕が止められるわけもない。
「くそ!」
エジンは、襲い掛かるジーンを交わすのが精一杯の様だ。たぶんジーンは、一発でエジンを殺せると思う。でもじわりじわりと追い詰める。
ビュ!
突然矢が、ジーン目掛けて飛んできた!
「ジーン!!」
矢はジーンには当たらなかったようだ。安堵して飛んできた方向を見て驚いた。
弓を持った40代ぐらいで水色の髪の男性と、ギルドマスターのロドリゴさんが立っていた!
「な、なんで……」
「あ、ロドリゴさん! 助けてくれ! 突然襲われて! あいつ、モンスターを仕掛けて来た!」
それを聞いた弓を持った男の人は、弓を構える。
ジーンも相手に威嚇する。
やばい! この状況じゃ、エジンが言っている事を信じて攻撃されるかも!
「ダイド待て……。君は、村に戻ったんじゃないのか? ここで何をしている」
「だから俺を襲って……」
「私は、彼に聞いている!」
エジンが何か言おうとするもロドリゴさんは、一喝する。
「答えられないか?」
「僕は、リリンを助けに来ただけです。リリンからSOSがあって、来てみたらエジンに襲われていたんです!」
「だからモンスター退治だって言ってるだろう! ちゃんと眷属だってわかるようにしおかないお前が悪い!」
「何言ってるのさ! リリンだってわかって攻撃していただろう!」
「やめないか!」
言い争う僕達を睨み付けロドリゴさんは止めた。
「詳しい話は、ギルドで聞く。ついてこい。勿論、その眷属も一緒だ。逃がすようなら仕留める!」
ロドリゴさんは、ギロリとジーンを見て言った。本気だ!




