◆109◆つけていた道案内役
ロドリゴさんは、いつかこんな日が来るかもしれないと思っていたのかも。イラーノさんが、エルフかもしれないと知れる日が……。
イラーノさんの出生の事を知っている父さんをムダマンスが殺した。そうわかったからあの時、ムダマンスを斬った。
そう言えば、ムダマンスって、五年前すでに商人だったんだよね?
「ねえ、商人なのに五年前鑑定をしにあの現場に来たの?」
「みたいだな。私が連れて来た鑑定師は、渋々だがあいつらの所までは来てくれたんだが……」
「渋々?」
「ムダマンスも言っていただろう? お金にも経験値にもならない事はしてくれないって。特に鑑定師は、強いわけじゃないからな。それにそのスキルを持っている者も少ない。だから正直、ムダマンスがテイマーで鑑定のスキルを持っていた事に驚いている」
そうだったんだ。鑑定出来る人って少ないんだ。
あ、そっか。だから商人になった時に、鑑定が出来るって公開したのか。
「私は、あの時は剣もさげてるし、現役の冒険者だと思っていた。たぶんその後、この街に拠点を移したのは、私達がこの街に戻ったからだろうな。そして、ドドイに子供がいた事を知った。変な話、君が家にいなくてよかった……」
何とも言えない気分だ。どちらにしても殺されていたかもしれないなんて……。もしかしたら僕は、一度死ぬ運命だったのかもしれない。
イラーノさんも数奇の運命なのかも。
「あ、そうだ。どうしてあの場所がわかったの? イラーノさんに僕の事を聞いたとしても場所までは無理だよね?」
「その事か。イラーノに聞いてナットスを探したんだが、街を出て行ったと聞いて嫌な予感がした。ダイドと一緒に街の外に探しに行こうとした時、ムダマンスが一人で出掛けたのを見かけたんだ。彼が、ミーレンの父親なのは知っていたし、護衛もつけていなかったから気になって追いかける事にしたんだ」
「俺が、感知のスキルで追っていると妙な事がわかった。モンスターが常に傍にいた。いや、どちらかというとそのモンスターを追いかけているようだった」
ダイドさんって感知っていうスキルを持っているんだ。よくわかんないけどそれで、場所を調べられるって事だよね?
「あ、感知と言うのは、普通はモンスターがいるか調べるスキルだ。俺は知っている人も探せる。まあ範囲は限られるけどな。それでムダマンスを追っていた。それにモンスターも感知したって事」
ダイドさんが、説明をしてくれた。
だいたいあっていたみたい。
もしかしてそのモンスターって、あの鳥みたいなモンスターかな? 僕がいる場所に道案内した?
「あ、それだ!」
「それ!?」
僕が叫ぶと、ダイドさんが何がだと聞く。
「あの場所に行った時に、ジーンが誰かに見られている様な気がするって言っていたんだ。あの鳥のモンスターが、僕達をつけていた! ミーレンがどうやって来たかはわからないけど、ムダマンスはその鳥のモンスターに案内してもらったんだよ!」
「もしかしたらミーレンも俺と同じ感知を持っていたのかもな。そのモンスターが君を付けているのを直接感知で追っていたのかも!」
ダイドさんの言葉に、僕はそうかもしれないと頷いた。




