表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

奇子 (あやこ)  手塚治虫の問題作   1972年作 エロスと残忍と陰謀の東北ダークファンタジー漫画 極私的な漫画レビュー

作者: 舜風人


前説 


手塚治虫の漫画は非常に多作であり、多傾向である。

これだけ多作でしかも多傾向の漫画を描き分けた人っていないのではないだろうか。

彼の作品を

おおよそ分別すると、、、

その膨大な作品群の極く一部だけ、題名を挙げると


幼児向け系・・・・・海のトリトン ユニコ


少年漫画系・・・・・鉄腕アトム ジャングル大帝 三つ目が通る ブラックジャック

          マグマ大使


少女漫画系・・・・・リボンの騎士 ふしぎなメルモ


青年漫画系・・・・・キリヒト讃歌


大人向けな重厚な漫画系・・・シュマリ 火の鳥 アドルフに告ぐ 奇子 (あやこ)


という風に分けられるのではないかと思う、だがこれはほんの少しだけ、具体的作品名を挙げただけであり、手塚の全作品数はこの数十倍以上の作品があるのが事実であり、

その中には、実は私が読んだこともないような作品だらけである。

膨大な作品の中には、題名すら知らない作品だらけである。とにかく膨大なのだ、

精確ではないが、、、手塚の漫画作品の総数は、、、たぶん200作品くらいあるのではないだろうか?


そんな中で意外に知られていない作品で  奇子あやこという大人向けの漫画があるので

今回は。ここでご紹介したいとおもうのである。





本論




まずはあらすじをどうぞ


奇子あやこ 1972~1973雑誌掲載


東北地方の旧家・名家 天外家が舞台です。


主人公は天外仁朗 昭和24年戦争から復員するが、、

どうやら?出征中に奇子という名の妹ができたらしい?

実はこの子、仁朗の父が長男の嫁に手を出して産ませた不義の子なのだ。

この天外家、、かなりヤバイドロドロした情欲の渦巻く旧家なのだ。


復員後、仁朗は

GHQのスパイとして暗躍することになる。

かなりヤバイ工作員としてダーティな仕事もこなすのであるが

ある日左翼活動家を殺害したその現場を見られた

奇子と下女のお涼にばれそうになりやむなくお涼を殺害してしまう。


仁朗は行方をくらまし、天外家の名誉を守るために奇子は蔵に幽閉されてしまうのである。

幽閉された奇子は美しい娘に成長するがその閉鎖空間での生育のためゆがんだというかある意味純粋な?情欲を持つようになる。


一方仁朗はその後朝鮮戦争の特需で裏社会のボスとなり金持になる。

その金の一部を罪滅ぼしに、奇子に送金するのだった。

その後奇子は成長して倉から出されるが

兄の仁朗と近親相姦関係に


長年の幽閉生活で、奇子は出会った男とすぐ肉体関係を結ぶことになんの抵抗感も抱かないのである。仁朗の弟の天外伺朗とも、近親相姦関係に、、、。


やがて奇子は家出して仁朗のもとに逃げ込む、


そのほかの天外家のメンバーも皆、異常な人物ばかりで

敗戦で衰亡する東北の旧家をおもぐるしく、かつ陰鬱に描いた大河漫画である。



、、、、というあらすじではあるが


実は手塚は奇子という聖女?を描きたかったのではないだろうか?


奇子は好きならすぐ体を与える、

たとえそれが実の兄でも、、である。

罪の意識はない。幽閉生活が長かったので?罪という概念を知らないのだ。


そういうある意味純粋培養された美少女、、聖女?

奇子のオハナシ、、というのがこの物語の正体?なのであろうか?


著作権の関係で奇子の画像をここにアップできないのだが、、

まあググれば出てくるでしょうから?

それでみてください?

奇子はある意味手塚のアニマ(理想女性)?なのでしょうね?

少女っぽさと、色気とが混合したような奇子ですよね?

ロリコン漫画?と言えばそうともいえる?

「ユニコ」とか

「不思議なメルモ」だって見方を変えれば

立派な??ロリコン漫画ですものね?

手塚描くこういうお色気系?女性像って

顔は丸顔で

すごい童顔でつまりロリコン顔系で

そのくせ?

肢体はむっちりとしたグラマラス、、というタイプが多いですね。

まあこういうタイプが手塚のアニマだったのでしょう。

確かに有る意味、こういうタイプって男の共通願望?という面があるのでしょう。


顔は童女のようで、、、

身体はむっちりグラマラス?

これは男にとってはたまりませんよね?


あ?

ちょっと脱輪?したようですね

それでは

ハンドルを戻します。



それにしても

あの文部省推薦?の国民的な漫画家である手塚の

健全な少年漫画からは想像できないような


これはおそらく問題作ではあるのだろう。


そういう傾向の問題作を手塚は時々書いていますね。


たとえばアイヌ問題を扱かった歴史漫画「シュマリ」 これは必読ですよ。


ユダヤ人問題を扱った大河漫画「アドルフに告ぐ」 わたしは、、10回読みました


障碍者を扱った「きりひと讃歌」これも必読のシリアス漫画ですね


などがあります。

ああそうそう


「火の鳥」も忘れてはいけませんね?

実は、、本音を言うとわたしこの「火の鳥」はそれほど好きではありません。

火の鳥のテーマは、人間というか人類史へのクロニクル?という設定ですが

物語としては統一性に欠けるのが欠点?でしょうね?


其れだったら一話完結の短編漫画の

三つ目が通る、とか

ブラックジャックのほうがシャープで切れが良くって好きです。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 田舎の旧家のしきたりなどの物語が好きなので、Amazonで奇子買っちゃったよー!! やっぱり手塚は天才ですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ