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第4章15話 再生魔法


「あんな事にならないように用意はしていたのですが、精鋭の女兵士を500人。あの種族は魔人の女が出す匂いが苦手でして、我々は昔からあの種族、悪魔族ですが、悪魔族部隊と戦う時は女兵士を先頭に戦って来たのです。

 ところが、あの襲撃の時に誰も兵士が現れませんでして私だけで戦う事になったのです」


「そこに、あの正体不明の味方が現れたんですね」


 俺が兄をからかってみる。


「そーです。敵も正体不明の出現と働きに混乱しまして少し押し戻したのですが、圧倒的人数差に負けてあのような状態になりましてな。

 実は私、少しだけ未来が見れまして、昨晩から今日私が死ぬことになってたのです。将来は時折変わるものですから、昨晩から万全の体制を整えたのですが変わりませんでして、あのザマです。

 もう駄目だなと思って正体不明さんを見ると死なない事になっているし、どうなるのかと思っているとミノルさんとアデルさんの出現だったのです。

 途端に私の将来が変わり生き続けることに変わったのです。将来は、そう簡単に変わるものでは無いのですが、今日は忙しい日でした」


「そーですよ! 私なんてミノルさんとアデルさんに物足りないから、もっと敵をよこせと言われて凄く困って、本拠地に連れて行ったんですから。そしたら、ミノルさんは爆裂を連射してクレーター作るし、アデルさんは帰って来た敵の大群に爆裂を空中に3発も撃つからバリア張って爆風から逃れるは大変だったんですから」


 ラルドさんとアデルさんが大笑いしている。


「おかげ様で、この国の敵は、ほぼ絶滅状態になりました。感謝しますぞ」


 兵士が駆け込んで来て、騎士隊と女兵士隊に毒を盛られ死亡者多数、残りを治療中と報告した。

 俺の警戒に赤い点が二つ高速で移動してゆく。雷神を三発撃つてみると当たった。ギリギリ射程圏だったようだ。


「凄いですな。あの距離で当たるのですな」


「ギリギリでしたよ。ラルドさんの方が長いでしょう?」


「いや私もギリギリくらいですぞ」


 兵士が失神した女兵士二名を連れてワープして来た。

 ラルドさんが女兵士達を見て言った。


「女兵士隊の隊長と副隊長か。どっちも姪なんで。ミノル殿、あの魔力壁を壊すのは、どうやります?」


「簡単ですよ、両手を取って魔力を送るだけです。ラルドさんなら普通に送るだけで壊れると思いますよ」


 ラルドさんが女兵士の両手を取り10秒もしないうちに『ドン』と低い音がした。次の女兵士はもう少し時間がかかって『ボン』と鈍い音がした。


「ゆっくり送るのは難しいですな。良い事を教えて貰いました。牢獄に敵の幹部が何人かいるので、全員にやらないと」


 床に一塊に置いてある4人を見て、困っている。


「始末に困りますよね。処刑すれば英雄視するのが出てくるし、ラルドさんは親族殺しになるし」


「本当に困ります。ミノル殿ならどうやりますかな?」


「……本来は処刑ですが……ラルドさんの慈悲で追放するのは如何です? ただし、この街の近くの、あのー……例えば、例えばですよ、ゴブリンの村とかオークの村に裸に剥いて置いてきて24時間体制で監視し奪還させず、時折治療魔法で健康的にして長生きして貰うとか……まあ例えばですし、慈悲ですから」


「……でも……まあ……大隊長! 話しは聞いておったか? 朕は慈悲は与える。どうしろとは言わん! 大隊長の裁量権で……何だ適当な罰を、分かるな」


 ラルドさんは上に上がって来ていた、高級将校らしい人に言った。


「はい了解しました! 高価な物を身に付けておりますので、後で全てここにお持ちします。決して王都近くのゴブリン村に近づけることなど有りません!」


 将校さんは4人のラルドさんの親戚を連れて出て行った。


「ミノル、お前はやはり一番貴族向けだわ」


 フェン兄さんの言葉にラルドさんとアデルさんが大笑いしていた。


「精霊の守護主の仕事はどのような?」


 俺が今やっている事や、やらねばならない事など説明すると、ラルドさんは暫く考えて言った。


「この魔法を差し上げましょう。再生魔法といいまして、色々な物を再生出来ます。土地には記憶が有り、荒れ地になっていても土地の記憶を使い森を再生することが出来ます。人の身体にも記憶が有り、腕とか足が無くなっても再生出来ます。もしかしたら、瘴気さえ無くなれば森を再生出来るかもしれないです」


 ラルドさんは俺とアデルさんに再生魔法をくれた。


「これは有り難い魔法です。今治療中の聖樹にも使いたいと思います」


「精霊様には精霊魔法が良いと聞きます。聖樹には緊急な時意外は避けた方が良いと思います」


「そうですか、では普通の樹の森に使わせていただきます」


 話しがとても楽しかったのだが、王宮の幹部らしい人達が困った顔をしている。ラルドさんも忙しいだろうし、帰ることにした。


「もうお帰りになるのですか? 残念ですな。王などというものはヒマでしてな、まして本日から敵がいなくなりまして、よりヒマになります。是非ともゆっくり遊びに来てください」


 ラルドさんの提案で、俺とアデルさんはラルドさんと念話を開くことにした。


「これで連絡が取れるようになりました、今度は食事でもゆっくりと」


「はい、是非とも。ラルドさんも遊びに来てください。美味しい物でも食べましょう」


 俺とアデルさんは王宮を後にした。



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