表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/223

第4章13話 魔人の大陸


「ミノル、行ってやれ。可哀想ではないか。私も付き合うぞ」


「アデルさんも来るなら行きます!」


 4人で行くことになった。


「魔人の大陸に着いてもう一度ワープします。中継点が必要なんですよ」


 魔人の大陸に着くと無人の山の上だった。荒涼とした大地と思っていたのだが、見渡す限りの森林が広がっていた。

 サキバさんが念話をしているらしいので、黙って待つていた。


「ミノルさん、御願いお父さんを助けて! 囲まれてるの!」


「すぐ連れてって!」


 サキバさんがワープで我々を連れて行ったのは、ペルシャの王宮みたいな建物の近くの空中だった。

 ドーム型見晴らしで二人の男だけが、空を飛ぶ大群と戦っている。俺はとりあえずドームの近くにいるのを雷神で100体くらい範囲で撃ってみた。


「ズドドーン」


 凄い雷鳴と稲妻が簡単に100体を撃墜した。次は200体くらいに増やして撃ってみた。光と音の後200体が落ちてゆく。

 敵は、奇襲攻撃で大量の仲間が落とされてゆくのに大混乱しているようだ。反撃が殆ど無い。

 アデルさんも大量に範囲を広げて、雷神を撃ちまくっている。

 俺は250体くらいに範囲を決めて、雷神を連射し始めた。


『アデルさん、これ快感ですね』


 俺が念話で話し掛ける。


『これは楽しい! コラ! 私のを取るな!』


 俺とアデルさんが、もう10発くらいずつ撃ったところで敵がいなくなってしまった。

 俺は精霊魔法で一時的な4人の念話グループを作った。


『サキバさん、もう無いの?』


『サキバ、物足りんぞ』


 アデルさんも不満のようだ。


『そんなこと言ったって……じゃ本拠地、行きます?』


『それは良いな! サキバ、早く連れてけ!』


 アデルさんの気合いが入っている。

 サキバさんが我々を連れてワープで出た所で森の中に城が見えた。城から兵士が我々に向かって飛び上がっている。

 俺は飛び上がり一気に上昇した。アデルさんとサキバさんが付いて来る。トメラさんは不参加らしい。

 射程圏に入って来たので雷神を撃つと、バラバラと敵が落ちてゆく。


『ミノル、お前の方が圧倒的に射程が長いのだから、私のを残せ!』


 念話でアデルさんから抗議が入った。無視して雷神を二連射すると、アデルさんが凄いスピードで敵に向かって飛んでゆく。

 射程圏に入ったらしくアデルさんが雷神を連射し始めた。激しい雷鳴と稲妻が敵を片端から落としていく。俺も適当に数発撃つと敵は城に逃げ込みだした。

 アデルさんは追撃し、城に雷神を落としている。


『みんな下がって』


 俺はワンドを出し、前に突き出し大声で言った。


「爆裂!」


「ドドドーン」


 城が凄い爆発で見えなくなる。構わずに連射した。


「爆裂!」「爆裂!」


「ドドドーン」「ドドドーン」


 小型の核爆弾かと思わせるキノコ雲が上がっていた。


『一度使ってみたかったんですよ』


『何も見えんな』


 念話にアデルさんが応える。アデルさんがイライラしたように風魔法で土埃を飛ばし始めた。俺も参加して少し経つと茶色のクレーターが見えてきた。

 敵が居なくなってしまった。


『サキバ、他は無いのか? 私もやってみたい』


『……そんな……全滅じゃないですか』


 他の国に来ると気兼ねなく出来るのか、アデルさんは欲求不満のようだ。


『ここは魔素が多いのか、魔力が減らん。もっと敵をよこせ』


 確かに魔力の復活が凄く早い。魔術士には天国みたいな所だ。サキバさんが困っている。

 警戒に沢山の赤い点が見え出した。


『アデルさん、早くしないと撃ってしまうよ』


『見えておる。任せろ』


 アデルさんはワンドを出して構えた。


「爆裂!」「爆裂!」「爆裂!」


 まずい、空の敵に爆裂は。俺は慌てて我々の回りにバリアを張った。轟音と共に爆風が来た。

 何も見えない。警戒で見ると赤い点が2つ残っている。警戒を頼りに雷神を撃つ。アデルさんとサキバさんも撃ち始めた。1人10発以上当たっているのに、赤い点が消えない。だが動きは無いようだ。


 爆風と破片が無くなったので、風を吹かせて土埃を飛ばした。視界が良くなったのでバリアを解いた。

 サキバさんが赤い点に飛んだ。我々も後を追った。


「叔母です。魔術が凄いですから注意してください。気絶してますけど」


 サキバさんの叔母さんは40歳くらいに見える長い黒髪の気の強そうな魔族美人だ。俺の趣味じゃ無いけど。

 俺は気絶しているサキバさんの叔母さんの両手を取り、魔力を一気に送った。叔母さんの魔力壁が膨らんで『ボン』と音を立て壊れた。


「これで魔法を使うことは二度と無いですよ」


 サキバさんは魔法で叔母さんを結束した。


「もう一人もやってください」


 サキバさんと次の赤点に行くと、やはり黒髪のポニーテールでサキバさんを意地悪にしたような人だった。やはり気絶している。


「私の従姉です」


 俺は従姉さんの両手を取って魔力壁を破壊した。ポケットから猟で使うマジックバックをサキバさんに渡した。


「お父さんに二人渡して、狩りに行きましょうよ」


「そうですね。すぐ戻りますので待っていてください」


 サキバさんは二人をバックに入れて、ワープで消えた。


「サキバも辛い立場の戦いみたいだな」


 アデルさんが寂しそうに言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ