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第3章11話 連絡将校がつきました


 毎日変わる中隊長さんは、我々に忘れずにエールを提供してくれる。今日もアデルさんと二人、指令テントで美味しく昼食を食べていたら

ノア兄さんとフェン兄さんが現れた。


「忙しいところ済まない。何か混乱状態なんだが説明を直接聞きに来た」


 ノア兄さんが困った顔で言った。


「何が混乱してます?」


「ミレン警備隊隊長が、ここが伝染病発生の危険が有るので、ホフマブルグ守備が大切なのは理解してるが孤軍奮闘のミノルとアデルさんを助けろと言うし、ピーター隊長は全て順調と言うし混乱してるのよ」


 とフェン兄さん。


「ピーター隊長が朝食会議に行ってから事態が変わっているんですよ。混乱してるなら僕の責任です」


 アデルさんが俺を止めて、中隊長さん2人を呼び出してから説明を始めた。

 アデルさんの説明を騎士団と警備隊の中隊長さん達が補足してくれた。


「兄さん達に城塞内を見てもらうと理解が早いのでしょうが、通路上にまだ200人くらいの遺体が腐りかかっているので、疫病でも拾われたら大変ですので。

 中隊長さん達が心配してくれているのは、明日以降の状況悪化なんです」


 騎士団と警備隊の中隊長さん達が説明を始めた。兄達は真剣に聞いている。


「でミノルとアデルさんと35人で朝から350体処理した訳……」


 フェン兄さんが呆れ、ノア兄さんが頭を抱えてる。


「体制を変えないと、本当に疫病が発生しかねないな。館は何もしてない状況じゃないか」


「ですから、今朝から起きた問題なんですよ。僕とアデルさんは襲撃を考えると離れられないですし、城塞内の換気するくらいの風魔法使えるのも僕とアデルさんですから館に説明しに行けなかったんです」


「ピーター隊長が1日遅れの情報持って朝、館に来る訳ね」


「連絡将校が必要だな。中隊長達の言うように相当な増員も必要だ」


「ミノル、アデルさん申し訳無い。今晩までに新体制を作って支援するから。両中隊長も御苦労様、二人のお陰で早く動けた。感謝する」


 兄さん達はワープで消えた。


「皆さんの魔力回復はどうです?」


「まだ半分くらいが多いです。騎士団と警備隊から、もう10人来るので2時以降は45人体制で行けます」


「なら2時から開始にしませんか? その方が効率が上がる気がしますが」


 という訳で2時から再開となった。


「ミノル、エールを飲むぞ」


「酔わない程度にしてくださいよ」


「大丈夫だ。飲め」


 騎士団からソーセージの差し入れが入った。1時間半後が怖い。



 結局アデルさんに治療魔法をかけて2時前に換気することから午後の作業が始まった。

 入れ替えと新たな増員の効果は大きく、作業がどんどん進んでいく。

 3時に休み時間を取る時には、あと少し残すのみとなっていた。


「4時30分再開で、晩御飯の時間はゆっくり取れると思います」


 皆さんに笑われた。

 キャンプでは残った人達が新たな風呂と便所を作っている。今晩から使えるようにするそうだ。


 4時30分再開前にまた換気すると、熱気が酷かったので3回くらい換気してから再開

 作業は順調で通路を全部クリアにして、全員の浄化や再バリアーまで終わって5時30分だった。


「ピーター隊長が帰って来ませんね」


「今日で少し立場がマズいしな」


「ちょっぴり可哀想ですね」


「そうでも無い。朝食会議の後、報告に帰って来ていれば全く違っていた」


「確かにそうですが」


「昨日も夜まで帰って来て無いしな。今日ミノルが一応かばったのは全員知っているし、個人の考えの問題だ」


 晩御飯が出てきた。ローストチキンと野菜シチューと黒パンにエールだった。

 二人で食べていると兄達が来た。


「食事中に済まない」


「いいえ、構わないです」


「城塞内は終わった?」


「通路だけ。534体でした」


「全部で1000体以上、確実だな」


「水不足と食糧不足。奴等の自殺行為ですね」


「500の重装備軍と1000以上の雑兵で、ホフマブルグ攻め予定だったのか」


「負けたのが、こちらでなくて良かったですよ」


「ホントだな」


「とりあえずだが、明日以降の体制は変えた」


 ノア兄さんが言い二人の中隊長を呼んだ。


「コロン騎士団中隊長、トレル警備隊中隊長、君達2名はミノル司令、アデル副司令の連絡将校を兼任しこの作戦が終わるまで、ここ専任となる。ピーター隊長は明日以降ホフマブルグ防衛専任となる。

 変化が有った場合、必ず私かフェンに全てを伝えること。ピーター騎士団隊長とミレン警備隊隊長とも情報を共有しておくように。」


「「了解しました!」」


「明日から騎士団70名、警備隊50名、辺境伯治療院から10名の130人体制とする。全員魔力回復のため毎日入れ替えるが、城塞内に入れる人数は100名は確保するので、両中隊長は運用を計画しておくように」


「「了解しました!」」


「サキバさんに頼んで全員の魔力アップしたのよ、少しは使えるようになっているから」


「サキバさん、大変だったですね」


「うん……迷惑を掛けてしまった」


 兄達は相当頑張って動いたようだ。王国との交渉の山場だそうで、そそくさと帰って行った。


 アデルさんに風呂と着替えに行って貰い、両中隊長さんと明日の相談。

 俺とアデルさんは、風魔法で換気と大きい家の浄化を引き受けることになった。

 アデルさんが帰って来て、二人の中隊長さんと共に司令は帰って寝ろと言われ、そうする事になった。


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