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11-3 嘘の本流は正義に輝く③

シンドウさん新たな技覚醒?

シンドウさんの人智を超えた戦いである。

 夜風が気持ち良い。

 今日は凄く凄く凄く凄く清々しいな。

 俺は適当に人の気配のする方に歩みを進める。

 向かっている方向は勿論ガロンファミリアである。ただでは済まさんぞ。


「ん?その姿はサトウか。お疲れさん!」


 ガロンファミリアのメンバー3人が焚き木で暖を取っている

 仲間であるはずのガロンファミリアのメンバーに労いを受ける。

 俺は錬成魔術より姿を偽装している。工作は得意中の得意であり服装は追剥させて貰った。


「ゴホォッゴホォッ...カハァ。」

「お、おい!大丈夫かサトウ!」


 俺は急に咳き込み吐血し倒れる。いや~どれほど情が厚いのか試させて貰おうか。

 流石に異常な状況化であることから走り寄ってきたが後3歩程の距離からは慎重近づいてくる。


「ダヅ..ゲて...オレさ目奪わ..れちまった。オグレヨ!シンジまうよ..。」


 俺は這いよりながら片腕をガロンファミリアの近くまで来た青年に伸ばし話かける。倒れた場所はすでに血だまり片目を抉られ損傷し死への体現のように顕現する。


「どうした!何があったん...えっ....アアアアアアアァァァ!」

「ありがとうよ。目を頂いていくぜ。褒美にお前は【抜】かれ続けてろや!」


 最初に近寄った青年の目を抉り自分の亡き眼に目を入れ二人目の青年を睨みつける。片目から絶えず血の涙を流し続けニヤ付きながら口を三日月に変えていく。


「なぁ~俺さ左手の切り傷がどうしようもなく痛むんだ。手を交換してくれよ。」

「ひぃっ!お前何もんだ!やめ....ウアアアアアアァァァ手がァァァア」

「ありがとさん。左手を頂くよ。褒美に【切】られ続けてろや!」


 二人目の青年の左手を手首からねじり切り代わりに偽造した手を溶接する。どれほど刻まれたらこんなまざまざしい手になるんだという程痛ましさあふれる手をプレゼントしてやった。


「スガ!エイタ!貴様アアア!二人に何をしやがった!」

「見ていて分からなかったのか?わざわざ実況してやったのによぉ~。まぁ分かるはずもないか?」


 三人目のガロンファミリアのメンバーは恐ろしく動揺した目で二人を交互に見る。勝手に倒れ絶叫し続ける仲間の姿を見る。とてもじゃないが普通ではない。


「目がアアアアアアアアア」

「手がアアアアアアアアア」


 方や目を抑え蹲る、肩や片手抑え蹲る。両者共に全くの無傷であるにも関わらずだ。

 俺のしたことはなにも特別なことではない。生物の持つ生存本能をただただ傷をつけて嘘で塗り固めただけだ。人の持つ感覚器官を利用した洗脳と言い換えてもいい。人が持つ感覚は捉え方で大きく変わる。実際に傷をつけていないにも関わらず本能がそれを受け入れてしまえば嘘は真実と変わる。目に指を突きつけるだけ、左手を両手でタオルを絞るように捻るだけで先ほど実況したことが本人には本当のことだと誤認識する。


 そして....最後は俺のお手製である。俺の唯一の特別である目で相手の感情を色で識別する力。これはどんな感情でも見えるし....報せることまでできるのだ。

 目を抜かれたこと。【抜】かれた痛みを脳に感覚として与えた後にその感覚を沁みつかせる。リピート再生されるように受けた痛みは連続して襲ってくる。


「まぁ本来はこんな子芝居しなくてもできることなんだが...痛みに関してはより具体的なイメージを持ってくれた方が苦しませることができる。お前はどんな痛みがいいかな?これでもまだ優しい部類だよ?」


 俺は偽装を解き目を狂気的なまでに見開き口も歪ませる。

 青年は決して触れてはいけない異物に触れてしまった。関わってはいけないモノに関わってしまったことに気づく。顔色はこれ以上ないほど真っ青になっていき。過呼吸にすらなっている。逃げなくてはいけないのに腰が抜け、足は生まれたての小鹿のように震えている。


「...あ...あ....。」

「あらら。ぶるっちまったかい?曲がりなりにもマフィアに所属しているのだろう?相手に屈する姿なぞ見せてもいいのかい?」


 俺は今度は笑みを浮かべゆっくりと近づく。

 相手と目線を合わせるため膝を曲げる。頭を鷲掴みし視線を合わせるように固定する。


「許してあげてもいい。その代わりに俺の望みを一つ叶えてくれるかい?」

「....え....あ....はい。」


 俺は相手の恐怖心をできるだけ和らげて理性を取り戻させる。

 営業スマイルで相手の心を開かせやすくする。真っ青だった表情も少し冷や汗をかくだけになり許されるかもしれない希望をみる。この時点でマフィアとして越えてはいけない一戦、仲間の情報を売ってでも助かりたいという生存本能のみに突き動かされる。


「いいよ。助けてやる。望みは....【従】え!...そして第一命令である。お前自身なぞ不要だ【消】えろ!」

「.....え?....ぐぅ...あが..アアアアア.....。」


 頭を両手で抱え込み苦しみだした。

 自我の崩壊を起こしているのだから当然ではあるんだがな。

 こいつが最後まで抗う意志があれば救ってやってもいいと考えてもいたんだが.....いやないな。もうガロンファミリアは明日の朝日を浴びることはないのだし。


 俺がガキの時に習得した技....いや技なのかすら分からない代物。

 今思うとこの力の根本は人が編み出したモノですらない。だが使えるものなんでも使う。

 もう失いたくはない。



苦悩葛藤を越え進み続けるモノ


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