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10-1 嘘は支配者の傀儡を謀る①

シンドウはマフィアを配下にするべく動きだす

 俺は地球の時の姿になりミーア達の元へ戻る。


「...何をしているんだ?」

「気にしないでくれ。それとマフィアを潰す件は、マフィア共を下につかせるという目的に変わった。できる算段はあるだろうか?」


 ミーアはベッドの枕を抱き身悶えていたため傍から見たらなんだこいつと思うしかない。


「...不可能ではない。だがマフィアのボスよりも実力が上だと証明できたらの話だ。少なくともカリノファミリアは実力至上主義だからな。」


 全く知らんがまぁいいだろう。ミーアと鉢巻にはこれを機にさらなる高みを目指して貰おう。


「シドウさんから見て俺と千秋はマフィアのボスに対してどの程度通用するか分かるか?」


「今のままでは幹部でさえ倒すのは困難だろうな。私があくまでも考えていたのは内側から崩すつもりだったのでね。」


 ミーアの不意打ちとはいえ幹部1人倒せていたんじゃね?というのはあるが黙っておこう。


「やはりそう甘くはないか..。」

「あなた達に覚悟がおありならば実力を底上げする方法はあるが聞きますか?」


 辿り着く終着点として実力が足りないならば身に着けるしかない。そしてこれならばミーアと鉢巻をくっつけられるかもしれん。


「なになに!話を聞かせて!」


 ミーア話を聞いてたんだね。興奮で顔が赤いけどご褒美に不埒なことはする気はないからね!

 鉢巻は話を促すよう相槌を打つ。


「お二方はここに来る前に森があった所から来たと思う。初期地点として用意されているはずなのでね。その森は四方八方に拠点を構えるマフィアを隔てる物となっている。」


 もちろん証拠も何もないが、俺はこの区画の意味を考えたときそうできているのではないかと考えた。


「なので森で戦い生き残り続ければ自ずと実力は上がります。」


 俺はここに来る前に森林に足を踏み入れたが誰とも遭遇はしなかった。だが痕跡はあるし遠くには気配があった。攻め入られまいと部下を配置するボスは多いだろう。


「なるほどね。やるわ!私は強くなりシンドウ君の隣に並び立ってみせるわ。」

「危険性は高いが燻ってはいられないか、俺もやる覚悟はできている。この区画で実力を示せれば今度こそ平和に生きることができるかもしれんからな。」


 気合は十分ってわけだな。おそらくだがここのボスはレベル3相当だと思われる。あの時戦ったマフィア共の連携はドワーフやエルフ相手でも善戦できる練度だった。ならばその上を行くだろうな。


「やる気十分というところだな。私の回復と準備に時間はかかるため三日は待機というのは変わらないので落ち着いてくださいね千秋さん。」


 今すぐにでも飛び出していきそうなので諌める。金を稼ぎ食糧を手に入れたり野営できるようにするんだから待って貰わんと困る。


「シドウさん待機している間にできることはありませんか?」


「今後の動きとして私とカリス、千秋さんと鉢巻で動くことが多くなる可能性があるため連携を考えることですかね。お互いの背中を預ける運命共同体のようなものです。お互いのことが分かっていないと死んでしまいかねません。」


 俺は少し圧をかけ忠告させる。二人であれば死ぬようなリスクはかなり低いはずだ。そして今度こそ戦いの中で恋を実らせてくれよ。


「私は準備があるので行く。御用の際はカリスを連絡係とするので申してくれ。」


 さぁ急がなければな3日しか指定しなかったのだから。もっと期間を作るべきだがやる気になってくれているのに士気をこれ以上下げるような真似はできない。


 ◇


 俺はとある一室を借りていた。


「おいおいそんなに睨むなよ。俺を殺そうとしてたんだからこれくらいされるのは当然だろ。」


 俺はミーアが気絶させたマフィアの幹部と思われる者を椅子に縛りつけ口には猿轡を噛ませて自殺できんようにしてある。


「ボスの情報を売れなんてテンプレートなこと言わんから安心しろよ。」


 俺は猿轡を取ってやる。本気で死ぬ気があるなら自殺の方法ならあるが死んでないということは、自殺は考えていないのだろう。


「なら俺から何を聞き出そうというのだ。」

「神崎さんあなたにはボスではなく同じ幹部やその部下を売ってほしいんだよ。俺はあの時同盟条件で言ったろ幹部情報を売れとなそうすればのし上がるチャンスはある。ボスの座だってな。」


「確かに俺にとっては上手い話だ。だが組織を弱体させお前が乗っ取ろうとしていると俺は考えている。お前の実力は底が見えんからな。」


 当然そう考えるのが普通だし、俺が他のマフィアの回しもんだということも考えられるだろうな。ちなみにこいつのケータイで名前を把握したし、さっき俺のケータイに連絡した。


「確かに信じられるわけもないわな。でも俺はこの区画に長いする気はないんでな最終的にはあんたにメリットはある。神崎さんに死という脅しはあまり意味はなさそうだとは分かっている。だが最終的に俺の要求をあんたはのむだろうよ。だからこれは警告だお仲間の情報を吐け。後悔しても知らんぞ?」


 俺は例えどんな手段を使ってでも吐かせることに対しては過去失敗したことがない。人には絶対譲れない物がある。拷問に失敗するやつはそいつの情報を引出し切れていないただの無能でしかない。神崎さん3日で準備しなきゃならんのだ手間は省こうぜ。



「俺は俺が信じられる根拠がなければ動くことはない。お前の言う通りいくら拷問されようと俺は俺の信念を曲げる気はない。」


 だって明らかに人何人もヤッてきたし、修羅場を乗り越えてきた感がする人相やもん。これで簡単に暴露されてはねぇ。


「いくら拷問されようともというのは驕りがすぎると思うぞ?この世の中には耐え難い罰は無数に存在するからな。だが今回はする気はない。根拠が欲しいと言うがあんたにとって根拠を示すにはどうすればいい?ちなみに答えなければあんた含め関わり合いのある者を皆殺しするから注意しろよ。」


 ケータイの電話帳にある者を指している。そんな周りくどいことはする気はないが、黙秘されるのは困るからな。


「お前は甘いのか、甘くないのか分からんな。根拠とするならそうだな....この区画にいる6つの巨大組織の内カリノファミリア以外のボスの首を一つ差し出せ。これで俺に箔をつけることができる。ボスがいなくなれば、カリノファミリアで俺に逆らう者はいなくなる。他のファミリアのボスの首を取れるならわざわざこんな要求をする必要もない。話ぶりから全マフィアを手中に収めたいというような欲はないのだろう?」


 あからさまに俺のことを利用する気満々じゃねーか!マフィアとの抗争自体できることならしたくないんだから欲なぞ出るわけがない。


「ないな。俺は下の区画に行くためだけにこんなことをしてるんだ。ここでトップ張ろうなんて考えていない。この区画より下に下がるには実力を示す必要がある。ボスの座について一定数の構成員を集めることができて初めて監守と交渉ができる。ここのルールはこんなところだろ?」


「予測すればばそこから推測できるか。だからこそ他のボスの首を取れるなら俺に対する交渉なぞ本来無用だ。どうする?」


 やはりルールはそうなっているのか。でなければマフィアなぞする必要がどこにあるのだ監獄でな。


「言質とれたからお前は用済みだ。と言いたい所なんだがそういう訳にはいかなくてな。できればあんたのとこの組織を利用したいんだよ。」


 ミーアと鉢巻を鍛えることに決めてしまったからな。他のマフィアと戦うでもいいんだが、こいつらの練度を見て好都合だと判断した。


「首を取るというが生け捕りで構わないんだよな?そして神崎さんに差し出してもいいが相手のマフィアに人質として有効に使い殺さないという条件であればやってもいい。」


 俺は無駄に命を散らすような真似はもうしない。新たな火種を増やし続けるのは不毛すぎる。


「それは構わん生け捕りの方が評価は高いだろうからな。ひとつ聞くが仲間を売れと言ったが何をさせる気なんだ?その言い方だと仲間の命も奪うというわけではなさそうだが。」


「未来なるであろう俺の仲間を鍛えるため戦って欲しいというだけさ。できれば神崎さんには敵を見つけた首取るまで帰ってくることは許さんくらいのこと言ってくれればいい。」


「....。貴様はこちら側の人間だと思っていたんだがな。自分を否定すること、抑えることはできないもんだ。変わろうとしているか知らんがやめておくことだな。要求通りなら俺はそれに見合った仕事はしてやる。」


 ずっと闇の中にいるような奴に分かって欲しいなんて思わないからどうとでも言うがいいさ。確かに俺は自分が嫌いである。抑えていると言われればそうだろう。だが間違ってると思うことはない。


「その言葉忘れないようにな。もし違えた場合はその抑えられたものでお前を粛清するかもしれんぞ?」


 俺は言葉を吐きながら部屋を去る。さてボスの首を差し出せか、欲張りなおっさんに捕まられたもんだ。


「...。お、繋がったか。お前今どこにいるんだよ。」

「この区画の南の方だな。暇つぶしにはちょうどいいとこだなここは。」


 ケンジはずっと戦闘しているイメージだからな。繋がるかは賭けだった。ケータイを拾ってからも何回か電話をかけたのだが出なかった。


「暇つぶしなら電話をかけ直すようにしろや!そんなに暇つぶししてたならマフィアの一つや二つは制圧したんだろうな?」


「今二つ目って所だな。一つ目半壊させたところでやることなくなって放置している。」

「戦う相手いなくなったから次ってことだろ。二つ目でも一つ目でもいい。ボスを捉えてこちらが指定したところに転がしといてくれ。南にいるって所をみるとそのまま西側に回り遊ぶ分には構わん頼む。」


「はいはい。どこに運べばいい?森林だろうがな。」

「ケンジが殿を務め俺達と別れた所かこの区画にたどり着いた場所でいいか?」


「殿を務めた記憶はないが別れた場所でいいぜ。覚えてんよ。今日中に運んどいてやるから受けとんな。」


「了解だ。北東側のエリアの制圧はこちらがやるからカリノファミリアを見つけ際は別の場所を制圧してくれ。」

「誰か鍛えることにでもしたのか?いやなんでもないシンドウがやるというなら必要なことなんだろ。切るぞ。」


 電話が切れた。これでボスの件は片付いたか。今の内に金をさらに稼いで買出しか。...なんだろ高度なパシリをしてる気分になって来た。




神崎さんは吐くのか、吐かないのか

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