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8-5 嘘の王道は異端者を裁く⑤

決着!

 

「くたばれやぁぁ...はぁ...はぁ...。...くっやはり難しいか。」


 俺は13回目のじゃんけんに連続で勝ち吹っ飛ばす。ケンジもダメージが入ってるはずだが倒れる気配がない。


「シンドウ頑張るな〜。お前じゃケンジに勝てないのは分かってるだろうによ。」


「..はぁ..根をあげるならお前からにしな。俺はお前に負けないさ。」


 ここで負けるつもりはない。ケンジに勝つことが絶望的であったとしても必ず糸口はあるはずだ。


 ◇


 18回目のじゃんけん


「くっ」

 じゃんけんに負けた。シキめ面白そうな顔しやがって。


「さぁ覚悟しやがれよシンドウ。..かぁぁ!!」


 ケンジのハンマー攻撃を受ける。俺はヘルメットを手で持つが腕を硬化させガードしながら受ける。


「シンドウの場合そうしないと死ぬだろうからな。まぁこちらの方も何発耐えられるのか分からんから乗ってやるよ。」


 俺はガードしたはいいがケンジ同様吹っ飛ばされていく。やばいな腕が完全に折れたな。折れた腕で必死に受け身を最低限取りダメージを抑えるものの意識が飛びそうなレベルの大ダメージだ。


「...くっマジで殴りやがったな。..はぁ...はぁ...。死んでないところみると俺の17回の攻撃は無駄じゃなかったな。」


 俺は自分に回復魔術をかけて腕を治す。5分程で腕は直ったが全身のダメージ全ては無理だな。

 俺は回復次第檀上に戻る。


「シンドウ君大丈夫なの!骨が折れたような音してたけど...。」

「大丈夫だ回復させた。ケンジ次だ!」


 シキは受けた後の復帰時間はルール上規定はないが、ケンジに時間を与えるほど勝率が低くなるため急がねばならん。


「これで俺が1勝だ。残り99回耐えるか、俺がケンジを戦闘不能にするかだ。やってやるよ!」


 ◇


 23回目に

 二回目のハンマー攻撃を受ける

 26回目に

 三回目のハンマー攻撃を受ける

 .

 .

 28回目、29回目連続で負け、俺は勝てなくなった。観る目は限界である。



 ◇


 45回目


「さぁ俺をもっと楽しませろシンドウ!!」


 俺は吹っ飛ばされる20回目だ。流石にこれ以上は厳しすぎる。俺はボロボロになりながらも檀上に戻る。


「...シンドウ君もういいよ!私の分の1000枚が必要なら諦めるからリタイヤしてよ!」


 ミーアは悲壮感を漂わせながら訴えかけてくる。


「...はぁ..はぁ..ミーアダメなんだよ。仮に2000枚あってもシキが認めない限り下にはどちらにしても行けない。勝つしかないんだよ。...ぐはぁ」


 内臓もやられていたのか吐血した。回復魔術も限界がある。


「俺は負けるわけにはいかん。シキ本当にリタイヤする気はないんだな。」

「この状況でも強がりとハッタリを噛ますことができるのはやはりシンドウなんだな。だがリタイヤなぞせんな勝つのは俺だ。」


「行くぞジャンケンポン!」

 俺はまた負けケンジに吹っ飛ばされる。



 ◇

 55回目


「...はぁ。これで30連勝だ。俺は負けない。ケンジ次だ!」


 周りを見ても俺の状態は血まみれであり、息も絶え絶えだ。無理だと思われているだろうな。




 ◇

 58回目


「..がはぁ。...。」


 俺は32回目を受け檀上に辿り着き次第倒れた。


「シンドウさぁ~100回耐えるとか無理に決まってんじゃんよ~。どうだ今の気持ちはよぉ!」


 俺は薄れた意識の中話を聞いている。まだなのか...。


「シンドウ期待しても無駄だぞ。お前が考えてることくらいわかるからな。このバトルが始まる前にお前が俺の悪巧みの証拠を集めていたことは知ってるよ。」


「..!?シキさん何で...。」

「ミーアちゃんも協力していたようだな。シンドウはバトルに勝っても負けても、自分の勝ちを得る最善策を立てる、そういうやつなんだよ。大方ミーアちゃんや鉢巻が負けても、俺を監守から落とし下にいく算段を立てていたんだろ。」


 やはりシキには気づかれるか、シキの策略は俺と同等以上に働く。手の内はバレバレか...。


「聞こえているんだろシンドウ。悪いが俺はお前のことをよく知っている。勝てないのさ俺にはな。お前が外部に流そうとした証拠は全部潰したから諦めな。」


 くっ...こりゃ俺の力じゃ無理だったのか。俺はまた敗北してしまうのか。負けるなぞ2度とごめんだ。だが詰んだのは事実だ。


「...リタイヤだ。負けたよ。」


 俺は薄れた意識の中でもはっきり伝える。これ以上は無理だ。身体の限界である。


「こりゃーいい!あのシンドウが負けやがったぜ!ハハハっ!今回は分が悪かったのさシンドウ。ここは俺のマップであり、俺はシンドウの正確や能力は把握している。元仲間とはいえ情報を与えすぎたな。」


 俺は仲間と認めたやつには少なからず情報を与えている。元仲間であるシキも知っていた。勝てるわけがないがなかったか。


「いや~これは愉快だ。初めて勝ったんだっけなシンドウによ~。絶望する顔がもっと拝みたかったが後が怖いんでな、また地上からやり直してくれや!...監守長!今電話いいっすか?」


 シキは容赦ないな。人の嫌がることをさせたら本当に右に出るものがいない。


「監守権限で今から言う...」


「式神 綺麗よ己の罪を自白し裁かれろ!!!」


「な、...!?」


 シキは過去の俺を知っている。だが今の俺を知っているわけではない。俺には嘘を暴く力がある。正直使いたくはなかったし、シキは大きな罰となりうる証拠なぞこのマップで痕跡すら残しているわけないじゃないか。確かに罰則がありそうな証拠は探しだし監守でいられなくさせようとした。だがそれはただクビになるくらいだろう。


「俺は言ったぞ何度もよぉ~リタイヤしろってな。監守をやめるくらいで済ませようとしてやったのにな。」


 シキは仲間だったが間違いなく重犯罪者だ。シキの過去も知っているからこそ分かることだ。


「..キィ..監守長今までありがとうございました。俺は監守でありながらこれまで様々な罪を犯していました。聞いてください。」


 シキはこちらを睨みつけながら言葉を続けていく。


 そう睨むなって。こんな邪道な方法は良くないだろうが、俺にとってはこれが王道と言えるんでな。自分のしてきた罪を受け入れ裁かれるがいい異端者め!


 ◇

 30分程懺悔は続いた。

 そしてシキとは別の監守が現れシキを連れて行く。


「許さねぇーからなシンドウ!!!」


 俺はケンジにシキが逃げないように拘束を頼んだためあっけなく連れて行かれる。


「にしてもシキの懺悔は死刑レベルではないかな。ドン引きすぎるわ。」

「昔から悪事をする上であいつの右に出るやついなかったからな。チップ1000枚取り戻しておいたぞ。」


 ケンジのチップ1000枚はこのバトル条件を作り出すものだったのだろう。


「シンドウさん。シキが行った罪は分かるのですが死刑となることは勘弁してやれませんか?」


 クリスさんが俺に問いかけてきた。あんな懺悔を聞いた後でも心配してくれる人があいつにもいたんだな。


「大丈夫だ。死刑にはならんよう先ほど監守長には電話で頼んだ。この下の区画に連れていくようにな。」


 俺にここまでさせたんだ。死ぬなんて生ぬるいことさせるわけがない。


「...ふぅ。やることはやったな。ケンジ後処理は任せる。下の区画に行けるように交渉もしたから頼んだ。...。」

「承知した。」


 俺は既に限界を越えており気絶したのだった。









シンドウさんはいい笑顔で意識を失うのだった。

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