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7-1 嘘は咎人に在り方を示す①

監獄編スタートです!

シンドウとケンジの目的とは

 校長の手続きより南のクライム大監獄まで送って貰った。


「シンドウ。俺は大監獄に行くこと自体は構わんが囚人どもを戦力と考えるのはやめておいた方がいいぞ。」


「そうだろうな。俺も囚人を戦力として連れ出そうと思って行くわけではない。。戦力となりえるのであれば連れていくが難しいのは分かってる。」


 クライム大監獄は。ただ人を捕まえる監獄ではない。囚人を鍛え上げるシステムとなっている。だがこれは俺が仕組んだシステムではない。


「ならいい。変に気を遣う必要があると楽しめんからな。やはりシンドウについて行く方あの爺さんより面白いな。」


「アカシの元、帝国機関に入れたのは悪いと思ってるがケンジはほっとけば勝手にエリア戦に行ってしまうだろう。それは罰対象となるから公的に行けるようにしてやったんだろが。」


 ケンジは基本は頭も回る上に器用なやつだ。だが根が戦闘狂のためか、感情的になると全てを捨ててでも強敵がいれば向かっていく。我を忘れずにしてくれと言いたいがそれではケンジの強さが発揮できないので諦めるしかない。


「はぁ〜なんで戦いたいだけなのに許可取らんといかんのだ。好きにやらせて欲しいんだがな。」


「それを破る者がいるからこういう大監獄が必要なったんだろが。帝国機関にいなかったらここの最下層にぶち込まれてるぞ!」


 エリア戦で勝つということは普通ではありえない経験値を得るということ。それを管理しないと力を悪用する者が現れてしまう。クライム大監獄は力に飲み込まれてしまった者、悪用した者を収監している。だが現状戦力して使えなければ未来はないため鍛えると同時に規律の恐ろしさを植え付ける場所となっている。


「俺なら最下層に捕まろうが自力で出られると思うが、確率としては低いな。試してみたかったからちょうどいい。」


「ちょうどいいじゃねぇんだよ!はぁ〜まぁいい最下層には行く予定だし、出来れば監守として入りたいんだが許可が下りるかどうか...」


 ◇


 俺達はクライム大監獄に入り課長室に案内された。


「匙が言ってた恐れ知らず達か。どんな地獄に飛ばされたいんだ?」


「囚人同士が無差別に殺し合うとこに飛ばしてくれ。」


「ケンジやめてくれ。話がややこしくなる。」


 言うと思ったよ。なんでこう殺伐としてるかな。平和ん愛して欲しい。


「シキという通称の看守はまだ在籍していますか?」


「なんでその名前が出てくるのかは分からんが会うことはできんな。」


 シキは居るということか。シキはかつて袂を分かったが仲間だ。途中までエリア戦にいたが監守の任に着いた。もしシキがまだ居れば話が通しやすかったかもしれんが残念だ。


「そうですか。俺達を短期でいいので監守として雇ってくれませんか?命の保証はなくていいです。荒事中心で構わないので衣食住だけ整えて欲しい。勿論費用はこちらが出す。」


「...ダメだな。監守に就くことは認められない。だが匙の紹介だ。囚人としてそれなりに衣食住を提供するまでなら許可してやってもいい。」


 やはり監守は無理か。今更ここで鍛える意味はないし、監守の命令を受け行動するなんてゴメンなんだがな。


「囚人として入ることは致し方ない。規律は守りますので、時間を拘束するような監守の命令はなしにして下さい。勿論こちらが問題を起こしたら罰は受けます。こちらもやるべきことがあるんです。」


「....確かにお前らの話は伺っている。ここで鍛える意味がないのもな。だがここにもルールがある。お前の望みは自分で叶えられるようになっている。実力があればな。だから許可できん。これ以上何かあるならこの話はなかったことにする。」


 実力があれば叶えられるか..なるほど。ここのシステムはあくまで実力で何もかもが変わるということか。


「分かりました。それで構わないです。」


 ◇


 監守に案内を受け牢屋に案内された。


「俺の想像した牢屋じゃないなこれ。衣食住はなんとかして欲しいって頼んだからいいのか。」


 普通に2段ベッドがあり簡易型のキッチン、便座トイレ、風呂がある。というか牢屋に案内されたけどワンルームの部屋だなキッチンがあるという意味では1Kか。なんというか鉄の檻に固いベンチ、汚い和式トイレ、鏡と蛇口みたいなのを想像してたんだが..いや文句はないからいいんだけど。


「シンドウは下で俺は上を頂く。今すぐなにかやる事ないんだったら俺は殺し合いに行く。では」


「...あぁ俺はベッド下でかまわ..だからやめいや!やる事はある!何ちょっとウキウキしながら行こうとしてんだ!じっとしてられないガキか!」


 やばいケンジが居てくれた方が助かると思ったが、早くも後悔してきたよ!


「まず調べたいことがある。俺達の行動制限はどのくらいなのかだ。確か資料では5区画あり重なっている。最下層の区画に行く方法を知りたい。」


「分かった待ってろ。下にあるんだったな。どこか目立たないところで地面を破壊しよう。手っ取り早い。」


「そうだな手っ取り...だからやめいや!学校なんてだるかったのかもしれんが許してくれ!フラストレーションをぶつけないでくれ!」


 なんとなくだがケンジは八つ当たりでもしてるのかと思えてきた。


「シンドウ。確かにだるかったのは確かだが不満はなかったぞ。歯向かってくる連中ばかりだったからな。..ハハッ面白かったな。」


 こいつやっぱり教師向いてたんかな?いや教師というよりも師匠となれる資質ってやつか。


「人間が勝利したらどんな職業だって斡旋してやんよ。だから破壊行為は禁止な!戦闘になったらほどほどには許可するから抑えるんだ!わかったと言えやぁぁ!」


「仕方ないな。分かったよ。ツッコミ疲れないのか?」


「お前キャラ変わったな。なんか昔より扱いが難しくなってやがる。無駄に成長しやがって。」


 こうしてシンドウとケンジの監獄生活はスタートする。



「ケンジ何かわかったか?」


「大体のことは分かったぜ。ここは各村や町でゴブリン共を倒した連中のたまり場だ」


 ケンジは囚人を踏みつけながらそう言う。周りにも10人ほど転がっているので確かだろう。第一区画に入ったらならず者集団みたいなやつに睨まれたのだ。ちょいと挑発しただけで襲いかかってきたからな。乱暴な連中だ程度が知れるというものだ。


「..う...がぁぁ..離せぇぇぇ...う.....。」


 俺は囚人の首を締め上げ気絶させる。正当防衛だ、ボコっていいのはボコられる覚悟のあるやつだけにしろ。そして話しているんだ五月蠅い。


「んじゃここでのやることはもうないな。...なぁ看守さんまだ足りないか?実力を示すのには。」


 ずっとこちらを見ているだけの看守に話かける。


「....仕方があるまい。相手をしてやろうそこの囚人共、かかってこい。」


 この看守は実力も計れないやつとは違う。この監獄のルールなのだろう。そして手練れであることが観る目から分かる。


「当然俺が相手だ!シンドウそれでいいよな。」


 あらら軽く興奮状態になってる。獲物を見つけた猛獣のような覇気だ。


「構わん。でも殺さないよう...って聞いてねぇーし。」


 ケンジが飛びだしていった。ケンジが右足で飛び膝蹴りを看守の顔面目がけて打つ。


「..早いな。だが直線的すぎる」


 ケンジの間合いに素早く入り右手で抑え左手で膝蹴り方向をさらに右にずらす。お互いが背を向かい合わせの状態となった。そこで看守は右腕で背を向けながらケンジの首を絞め。そのまま地面に叩き落とそうとする。

 やはり手練れだな。戦い慣れている。このまま落ちれば首の骨が折れかねない。


「..ぐきり。..くはぁっ..。」

「どうした囚人そんなものか。」


 ケンジの首の骨があれは折れたかな..。安らかに成仏してくれ。南無阿弥陀仏..合掌。

 倒れて動かないケンジを見て囚人が意外そうな顔をしているな。油断しない方が..


「...ぐわぁぁぁ..うっ..なぜだ..。」


 やばいやばい死んでしまう。ケンジの手刀が看守の腹に刺さる。


「やめろケンジ!」

「..はぁはぁ。がぁるがぁる...ふん。大丈夫だ殺す気はないさ。


 ホントかよ思いっきり暴れたそうな顔してたぞ。

 ケンジは戦闘勘は確かに一級品だがそれだけでは最強とまで言われない。未来予知も数多くの戦闘経験からくる副産物だ。最も恐ろしいのがこの凶暴性と不死身と思わせられる自己治癒能力だ。ステータスの向上と共に幾度となく先ほどのような致命傷を喰らい続けた末、障害レベルAクラスでないと動きを止めることすらできん。


「..あがぁ..あああ..やめろおぉ!」


 俺は回復魔術をかけてやる。もちろん激痛を伴うがな。


 ◇

 5分後治療は終わった。


「..はぁ...はぁ...殺す気か貴様はぁぁ!」

「なぜいつも治してやってんのに逆切れされんといかんのだ。さっさと次の区画への案内してくれ。」


「次の区画の案内はいい。もう一度俺と殺ろうぜ。何回でも俺はいいぜ!シンドウがいる限り無限にやれるんだ!わくわくするだろ!なぁ!」


 だからそんな期待した顔で目で語りかけてくるな!さっきわざと未来予知も使わず突っ込みやがったな。


「...これを使え。ここに来る前にエレベータがあっただろ。第二区画に行けるようになっている。ケンジと言ったな。俺より強いやつはまだまだいる。そこで遊んでこればいいさ。では俺は医務室に行くさらばだ。」


 確かに直したとはいえ俺の回復魔術は欠陥品だ。しっかりと医者に診てもらうべきだ。


「んだよ。つまらんな。...まぁいいか。先に行きたいのだろう。」

「そうだ。こんなところでのんびりしてる暇じゃないさ。」


 ◇

 俺達は第2区画に辿り着く。


 辿り着くと目の前に掲示板があり道が分かれていた。


「第二区画 左が貧困マップ 右が富裕マップ と書いてあるな。どう思うケンジ?」

「何か二つのマップで力の差でもあるのだろうな。」


 掲示板には図面があるが正直大まかにしか記載されていないので意図が読めん。現状では分からんな。富裕マップにいくのが言葉的には楽なのかもしれんがどうしたもんか。


「ケンジはどちらのマップがいい?決めていいぞ。」

「貧困マップだな。血に飢えたやつが決死の覚悟で襲いかかってくることを期待する。」


 そんなマップは嫌なんだが、どちらでも結果は変わらん気がする。ならケンジのやりたいようにやらせるのがベストと判断したのだ。


 さてお次はどんな場所なのかねぇ~。

 左に進みながら今後の方策を考える。


次回第二区画貧困マップ突入!

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