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3-2 嘘は婚約者に恋の色を報せる②

さぁケンジがぁ!ケンジが!

この回から新たな主人公誕生!?

さあどうなることやら!

 手頃な価格の宿に入った。


「おいさっきなんで別の部屋にするの邪魔したんだ。お金は俺が出すからいいんだぞ。」


「だって一部屋一泊6000円ですよね?ダメですよ。お金は大切に使わなきゃ。」


 朝食込みで、6000円ならこの辺の相場が幾らかしらんが妥当なところじゃないか?それよりも、ユイ以外のやつと同室なんて、浮気だと思われたらどうするつもりだよ。


「いやミッシーがガキだと言ってもだよ。若い男女が同室はいけないと思うんだよ。逆にお前はいいのか?今状況は宿屋の店主には兄妹ですって設定にしなければならんかったんだぞ。」


 流石に高校生くらいの子と中学生くらいの子が入って来たら不信がられるからな。


「確かに設定とはいえシンドウさんをお兄ちゃんにしなければいけないのは不服がありますが…いやシンドウさんなら個人的にはありかも……」


「部屋を変えるように言ってくる!このマセガキが!俺の貞操の危機を感じたわ!」


「冗談ですよ冗談!本気にしないで下さいよ〜」


 俺には嘘は通用しないんだよ!こんにゃろうが!さっき若干本気だったぞこいつ!


「さて明日からの行動を説明するぞ、時間がないからな。聞かなかったら困るのはミッシーだぞ。」

「?なんで時間がないんですか?」


 なんせな俺たちがここにいることはばれてるだろうしな。


「いいか。まずケンジの花嫁なる人物に関して調べろ。必要であれば何をしても構わん。俺が尻拭いくらいならどうとでもしてやる。そして必要ならこれを使え現金で30万ほどの価値だ。そして現状ほぼ全財産だ。そしてこれから指示があればケータイで連絡する。俺からしか掛けられないようにしているから注意しとけ!一週間だ!一週間でとにかく花嫁の情報をまず集めろ」


 俺はミッシーの手首を掴む


「い、いきなりどうしたんですか。」


 来る!凄まじい気が近づいてくる!あいつさらに力を上げたな。嬉しいが今は最悪の気分だ。


「早く出て行け!この部屋から!頼んだぞ。すまんが下手したら俺は死ぬかもしれん。吉報を待っている!」

「シ、シンドウさ..」


 ミッシーを部屋から追い出した。


「..!?パリィン..かちィ.かちゃ..」


 窓が破壊された。そして窓辺に立つ青年いやいい大人になってしまいやがって。


「ようランザキ!お前が死んでなくて安心したぜ俺はよう。久しぶりにコロシアイをやろうぜ!ぞくぞくするなーおい!」


「けっ!相変わらずだなケンジ。いや剣山 狼朗(けんざん じろう)。この戦闘狂がよぉ。」


 そうこの男がケンジだ。かつての仲間であり。俺にとっては世界で最も厄介な敵なんじゃないかなと思わせられる。


「んじゃ始めますか!久しぶりのバトルってやつをよ!」


 俺はケンジに飛びかかろうとして

 当然逃げる。窓から。二階に部屋取ってよかったな~


「あぁ~てめぇ!逃げんな!ランザキよぉ~!すっかり忘れてたぜ。それがお前の戦い方だったな。いいぜ乗ってやるよ!」


 部屋から出て行った後、ミッシーは再び部屋に入った。


「なんですか!これは!」

 ドアの前には、飛び散った血の跡があった。そして無数の切り傷の後が。


「シンドウさんまさか本当に死ぬつもりじゃないですよね?」

 ミッシーはこの惨状を茫然と眺めていた。


「いやいや。ダメだ!任された以上やらないと!私の本領みせてやりますとも!...とりあえず逃げないとですね。部屋の弁償30万で足りると思えないし。」


 ミッシーはシンドウに託された任務を思い出し動きだす。


 ◇


 翌日、詩歌は別の宿で一晩過ごした。


「シンドウさんからは連絡きてないですね。はぁ~」


 とりあえず任務は託されたけど何から始めるべきなのかな。

 聞き込みでまずケンジさんの花嫁が誰なのかを聞き出すのは当然として、シンドウさんは情報を集めろって言ってたっけ。それはどんな情報なのか?単純にプロフィールを調べろってことかな?いやそんなことなら私じゃなくても、誰でもやろうとすればできるんじゃないかな。


「とりあえず動きますかね。残り6日もあるんだから。」


 詩歌は宿を出てまずは6番地の礼拝堂に向かうことに決めた。

 宿から出ると部屋では感じなかったほど温かみが指してる


「外の天気は快晴ですね~あぁ~お兄ちゃんに抱きしめられたいな~」


 もう全てが台無しになるようなことを発しながら向かう。

 私ここの土地勘なんてないんだから向かうだけでも一苦労だというのに、面倒なことを押し付けられたものだ。

 ふと見渡し私は優しそうな青年を見つけ出し話かける。


「あの~すみません。」

「ん?どうしたんだい。こんなところで道にでも迷ったのかい?」

「い、いえ違うんです。私実はこの前お友達に酷いこと言っちゃって傷つけてしまって..くすん..でも謝り方が分からなくて。礼拝堂近くのおじいちゃんの家に行って話を聞いて貰いたかったんだけど..道が分からなく..私どうしたら。」

「そ、そうなの。うーんまぁ仕方ないか。ちょっと待っててね」


 そして青年は電話で何か用事があった用だがキャンセルしてくれたようだ。


「しょうがないね、連れて行ってあげるよ。ちょっと遠いからバスを使いたいんだけど、カードは持ってる?」

「うん持ってるよ、使い方はまだよくわからないんだけど、お金ならお小遣いで1000円くらいあるの!それでおじいちゃんのとこ行けるかな?」

「それは大丈夫だけど帰りの分が心配だから出してあげるよ。困ったときはお互いさまってね」

「ありがと!お兄ちゃん!」


 詩歌は満面の笑みでそう答えた。このお兄ちゃんもいい人でよかった。私のお兄ちゃんが世界で一番だけどね。詩歌はお兄ちゃんのことを想いながら連れていって貰うのだった。



 詩歌は礼拝堂に無事たどり着いた。


 先ほどのお兄ちゃんにはお礼を言ったら「友達と仲直りできるといいねと」言われて別れた。

 私の良いお兄ちゃんセンサーは活躍するもんだね。


「礼拝堂にはた辿り着いたけど、次は花嫁よね。」


 私は礼拝堂前にある掲示板を覗いた。来月に開催!最強の男 剣山 狼郎と帝国機関 の花形 赤神 貴音さん のご結婚です。これはとんだサプライズだ!


 と書いてあった。はぁ〜。もっと苦労するものだと思ってましたが肩すかしを食らった気分ですね。詳細はわからないので調べるのですけど。


「礼拝堂に何か御用かしら?あなたもこの結婚式に興味があるの?」


 礼拝堂の人かな。シスターの様な格好してるから。私が掲示板の前で佇んでいると話しかけてくれた。


「はい!やっぱりあの赤神 貴音様のご結婚ですからね!1ファンとして応援は欠かしませんよ私!少し寂しさも感じのですけどね…」


「そうよね。赤神さんはとても有名で、その武勇は女性から誰でも憧れてしまうわね。」


 なるほどね。ご大層に名前を飾るだけあって有名な人であり、武勇に優れているということは強さも兼ね備えていると。


「そうなんですよね!シスターさんは赤神さんに関して詳しいんですか!私片田舎から最近引越して来たばかりで噂しか知らないです。ぜひ聞きたいです。」


 私は純真無垢に満面の笑みを浮かべ回答を促す。


「そうなの?ではどこから話しましょうかね。礼拝堂での祝福ごとですからね。今仕事中なんだけど、これも仕事の一環よね。」


 シスターは気前よく忙しかったのかもしれないが、こちらの頼みを聞いてくれた。このお姉ちゃんもいい人だね。帝都は闇が深いぞ〜ってシンドウさん言ってたけど本当なのかな?


 ◇


 1時間程シスターとの会話を行った。


 そしてシスターは神父に怒られ連れて行かれてしまった。事情を説明してたが、許しては貰えなかったようだ。「お嬢ちゃんすまんね。人手が今足りてないんじゃよ。また今度遊びに来てくれたら。お話は聞くからのぜひまた来ておくれ。」と言っていたので悪い人ではなさそうですね。


 詩歌は今、ノートとペンを購入し近くの喫茶店で話をまとめていた。


 赤神 貴音さん

 ・強さは一騎当千で魔術士としても一流

 ・卒業後、帝国機関に入隊し、わずか3年で幹部となる。

 ・学生時代には無敗の伝説を叩き上げる。その実績のためか入隊前からすでに帝国機関での席は約束されていたと思われている。

 ・性格は度がつくほど真面目な性格であり、間違いを正すためなら、どんな戦いにでも赴く果敢さ、勇気がある。


 うわ〜こんな人本当に世の中にいるんだ。最近めちゃくちゃな人達を見てきたので納得してしまう自分が憎いよ。シンドウさん諦めましょうよ。正直この結婚、はたから見ればお互い分かり合えた者どうしが決闘の末、気持ちが通じ合う的なやつですよきっと。


 これ以上情報を集めるには集めるが良い評判をただただ聞くだけのような気がする。こういうのをシンドウさんは求めてるのでないと自分は感だが思う。


「4日後か…赤神さんに会えるとしたら…」


 あのシスターが4日後に式場確認のため来るらしい。そのため、なんとかして接触を試みたい。危険な気がするけどやるしかないか!


 ◇


 その後詩歌は行動し、剣山、赤神、帝国機関、礼拝堂を調べあげられる限り調べ赤神が来るのを待った。


 ◇


 4日後


「うわ〜人が多いな。想定はしてたけどこれは話す機会が持てるのか不安になった。」


 そこには部下を伴って現れた赤神と、ファンの子達?が集まっていた。はぁ〜仕方ないよね。シンドウさんは尻拭いならしてやるって言ってたんだから。恨まないでくださいよ。


 私は頑張って人垣を分け赤神さんが見える位置まで行く。なんとかここなら声が届くはず。


「皆さん!私の結婚式をすることを知って来てくれたのだな。私は幸せ者だなありがとう。」


 赤神さんはファンサービスなのかというくらいにこやかに話しかけてくる。赤神さんが話しことで少し喧騒が止んだ、今しかない!


「乱咲 擾はここにいるぞぉぉ!!5番街の大きな時計台にぃぃ!」


 私はシンドウさんが教えてくれた過去の名前に関して聞いていた。そしてケンジさんの乱咲さんへの執着ぶりはあの事件から想像がつく。ならばケンジさんは乱咲さんのことを赤神さんに話した可能性は高いはず。


「ごめんなさい!間違えました。失礼します!」


 周りからなんなの?みたいな顔されたが仕方がない。もうこれしか思いつかなかったから。そして脱兎の如く逃げる。


「ハハぁっ。あのような小さな女の子まで来てくれているとは嬉しいね。皆もこれから私達のこと見守っていてくれ。」


 赤神さんは手を挙げ。アピールをする。今のはなんだったのか関係ないかのように、盛り上がりを見せていた。


「はぁ〜これで引っかかってくれなきゃ。もう仕方ないよね。シンドウさんの武勇伝に賭けますからね!」


 詩歌はとりあえず5番街の時計台を目指す。あそこの建物の展望台なら静かに話ができるはずだ。


 ◇


 約5時間後


「待たせてしまって悪かったね。小さな勇気あるお嬢さん。名前を聞いてもいいかな。」


 予定通り赤神さんは現れてくれた。乱咲さんは結構有名なのかなと思うようになった。


「私はミッシーです。乱咲 擾の名前を知ってると言うことでいいんですよね?」


 確認のため聞いておく。違ったら何か別の要因で来た可能性もあるからね。


「ミッシーか。乱咲が味方には渾名を付けることを聞いてるよ。これで回答になるかな?」


「そうですね。まだグレーっぽいんですが、来てくれただけでも感謝してるのでOKにします。」


 そんな回答をするんだ、まずシンドウさんのこと知らないと出ないはず。


「その度々の質問になってしまうんですけど、どうして来てくれたんですか?」


「そうね。この場に乱咲さんがいないのが心惜しい所なんだけど、会ってみたくてね。あの狼郎さんに勝った唯一の人だと聞いてたからね。嬉しそうに話してたわよ、あいつは俺のライバルだってね。」


 …えっ?ちょっとシンドウさん初耳ですよ?マジなんですか?やっぱり強いんじゃないですか!


「赤神さんには申し訳ないのですが、見ての通り乱咲さんはいません。ですがどうしても話したかったんです。聞いてくれますか?」


 だめだこの人の前だともう変な勘ぐりは意味をなさないんじゃないかと思えて来る。素直に話そうとそう思った。


「忙しい身ではあるのだけど。いいわ。あなたの話も聞いてみたいからね。」


 そう笑ながら赤神さんは話しかけて来る。やばいお姉ちゃんになって貰いたいよくが半端ないよ。


 こうして詩歌と赤神のガールズトークは始まる。





ガールズトーク良いですね。

シンドウさんあなたの戦闘力はいかに!

ご賞味ください!


お読みいただき感謝です。

スペラ@小説家になろう

でツイッターやってます。

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