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3-1 嘘は婚約者に恋の色を報せる①

新たなストーリーの開幕です。

 お互いの自己紹介も含め、がめじーの家でお茶した後、人目につかんようにまた萩原草原に戻ってきた。


「さーてお前ら。次の目的はケンジの野郎を見つけ出すことだ。ユイとマカベと同じく仲間だ。...仲間なんだよな~でも必要なんだよな。はぁ~。」


「なんですか!その溜息は!ユイさんやマカベさんのように優秀な方なんじゃないんですか?」


 優秀か。そうだな。凄まじく優秀だ。


「今はどうか知らんが、ケンジは人類最強の戦闘力を有しているんじゃないかと思う。冗談抜きで。だが会いたくはないな。」


「そうなの?ケンジ君はシンドウさんと凄く仲が良かったじゃない。」

「くくっそうだなシンドウとはマブダチだって言ってたじゃないか。」


 片方は素直に感想を述べ、片方は絶対面白がってるな。天使と悪魔かな


「マカベ、ケンジはどこにいるんだ。地下闘技場か?天下一武道会か?無人島で鍛錬か?」


「シンドウ、お前の言わんとしてることは分かるよ。だが違う。実は帝都の南エリアの6番街の礼拝堂で一か月後に結婚予定だ。」


 あれおかしいな俺の聴覚は働いてなかったのかな。うんまさかな。


「すまん。聞き間違えた。もう一回言ってくれ。」

「だから来月あいつ結婚するんだよ!」

「うそだろ!あの筋肉馬鹿だぞ。己を鍛えることが全てのケンジだぞ!ありえない!うそだ!あいつに先越されるとか許さんぞ。ユイ今すぐ結婚しよう俺は..ぐへ」

「バカっ!」


 俺は殴り飛ばされた。しまったあまりに動揺したため我を忘れてた。いや~しかしあいつがな~


「悪いユイ、今のは俺が悪かった。許してくれ。でも気持ちは本気だぞ。そしてマカベ、それが本当なら早急に帝都に行きたい。移動手段はあるか?」


「そうだねぇ~。全員での移動なら手配すれば3週間、私が持って来ようとしたら1か月かな。この場所に用意するのは。私が両脇で運べば一週間で運べるかな帝都まで。二人までだけどね。」


 そうか..どうするかな。マカベの時のようにはいかんな。あいつは機械の類が嫌いでな。どんなに説得を試みても持とうとしない。だからすぐ連絡できなかった。ケンジのことだから何年経とうが変わらないと思って油断していたな。


「仕方ない。俺とミッシーを先に連れていってくれ。そしてマカベは往復になって悪いが、ユイとヤマタケを連れてきてくれ!何か質問は?」


「シンドウさんのことだからユイさんと行動を共にするかと思ったのですが、違うんですか?」


「感情論を今言い出す時ではないからな、正直俺の想定だと今回はユイに向いていない。どちらかというとミッシーの方が達成確率が上がるからな。」


 最悪俺は式をつぶす可能性がある。そんなことの裏工作をユイにさせたくはない。


「正直私は疲れるから往復はしたくないんだけどね~。達成が成ってから迎えにいくではだめなのかい?」


「ミッシーにやらせたいことをマカベにやって貰う手は考えたが、やはり終盤に全員いてくれた方が臨機応変に動けるからパスだ!悪いがやってもらう。」


「あの僕は村に帰れないんですよね?ここで野宿していればということですか?」


「そうだな。やって貰いたいことがある。ケータイはユイに持たせてある。マカベ、現状5台分欲しい。人数分だ。残り2台あれば渡してやってくれ。それで命令は出す。ユイはサポートしてやってくれ。」


「引き受けました。頑張ります。」

「わかりました。シンドウさん。」


「...以上か。なら行動を開始する。連れて行ってくれマカベ。移動中に命令の詳細は話すからケータイは常に使えるようにしておいてくれ。」


 俺は久しぶりに戦略を考え命令を下す。


「懐かしいわね~腕がなるよ。今回は移動が主となってしまうがね。」


 そう話しながら俺とミッシーを両脇に抱える。


「じゃあ行こうかね!」


 俺達は飛び立つ。よくこんな飛行装甲作れたな。地球ではこのレベルまでいくのにあと何十年かかるか。いや必要ないから作成していない。そう思うことにしよう。


 ◇


 3分後

「マカベやっぱお前天才だったんだな。飛んだ際空気圧を食らう覚悟したが、完全にカットしてやがる。」

「そうですね。こんな技術が出来上がってるなんて私結構感動してますよ。」

「そうだろうねぇ。この12年でかなり技術革新はなされたからね。帝都着いたら驚くんじゃなかい。まぁ地球も大分こちらと同じくらい技術は進んでたからそうでもないか。」


 技術の発展は進んでいく。それは知的生命体に許された最大の武器だ。だからこそ人は必ず勝てるはずなのだ。異種族相手だとしても。問題となるとするとそれは、やはり考えることは同じで異種族もそうであること。だから異種族に入りこまれ技術を盗まれたら一巻の終わりだ。なのに侵入を許している。一体今世界で何が起こってやがる。


「マカベ、電話はこの状況でも使えるな。」

「ああ使えるよ。命令は決まったようだね。」


「そうだ決まった。爺さんは現状このままで構わないと言っていたが、あのゴブリン共を追い出そうと思う。最悪処分する。労働力としてこき使われているようだがなにか不可解だ。ユイであれば、尋問して吐かせられるだろう。」


「え!ユイさんが尋問ですか?そんな荒事起こすような人には見えなかったですけど。」


「ユイは自分が仲間として認識してる人間には優しいが、敵だと判断した後のバーサークっぷりはやばいぞ、容赦がない。だからどちらかというと荒事が中心の任務はユイに頼むことが多かった。ユイのそういうところは正直好きじゃないんだよ俺は。」


「へぇ~シンドウさんでも許容できないことあるんですね。まぁそれでも気持ちが変わらないならいいんじゃないんですか。」


 そうだな。だからこそユイが楽しく毎日笑って暮らせる世界であれば俺は他になにもいらない。


「ユイ命令だ!すまないが手を汚すことになるかもしれんがやれ!」


 こうして、ケンジの結婚式とゴブリン 両方をまとめて片付けるべく計画は動き出していく。



 6日目の夜、帝都にたどり着く。

 帝都南口の付近の森林に


「おつかれさん、マカベ。今日のとこは休んでいくか?出せる範囲に限界はあるが飯は奢るぞ。」


「いや、行くよ。その方が本当はいいんでしょ?遠慮はしなくていいよ。早くまたユイ先輩に会いたいからね。」


「そうか。助かる。無事終わったら飯でも奢ることにしよう。では頼んだ行ってくれ!」


 俺はマカベを見送り、森林から帝都を見渡す。


「以前とは比べ物にならんくらい拡大しているな。さて南エリアの6番か、昔と場所自体変わっていなければ、ちと遠いな。」


「シンドウさん何か別人のようにキビキビしているというか、無駄を省いてる感じですね。」


「村でのことと違って重要度が違うからな。たまたまあの村に来て、変革を起こすべきと思ったからやったが、俺はあの程度のことで普通は動かん。昔だったら部下にやらせてたさ。口ではああ言ったがケンジに降りられるのだけはやはり阻止したい。決まったわけではないが嫌な予感がする。」


 あの強さを持つケンジがいるだけで、俺の計画はかなり前進するのだ。当時俺たち高校生が何でこんな世界を救う、滅ぼす、ができたのも一重にケンジの助力が大きい。1体1での決闘なら無敗なんではないかと思う。


「そのケンジさんってどういう力を持っているですか?」


「悪いが言えない。お前が裏切る可能性があるとか信頼できないとかではない。だが広まるのは極力避けなければならない。要はピンチになったらあいつを呼んで逃げればいいと思っておけばいい。」


 ネタが割れてしまうと対策が必ずされるのが世の末だ。能力をひけらかすべきべはない。俺のように弱い魔術だったりする場合は逆に不信思わせられるから良いと俺は考えている。


「分かりました。じゃあ帝都行くんですよね。正直帝都に来たことがなかったので初めてですので楽しみです。」


「そうか、普通なら気を引き締めろとか言うべきだろうが生憎そんな堅苦しくするつもりはない。結果が出せれば楽しむのは自由だからいいぞ。」


 そう俺の持論だが変に縛るよりも伸び伸びやらせた方が、そいつの本領を発揮させやすい。だが緩くすると崩れるため、結果は出させる。


「なんか緩いのかある意味厳しいのか分からないですね。了解です。私やります!」


「いい返事だ。今回は俺がサポートするから大丈夫だ。基本は自分で考えることが大切だが、相談にはのる。詰まったら遠慮せず聞いてくれていい。」


「なんか、本当頼りになりますねシンドウさん。お兄ちゃんがいなかったら惚れてたかもしれませんよ。」


「馬鹿なこと言ってるんじゃない。全く…隠れろ!」


「ひゃい!…」


 俺はミッシーに覆い被さり辺りを確認する。確かに今気配を感じたんだが、止んだ?どういうことだ。


「…あのシンドウさん。確かに惚れるって言いましたが、その私にはお兄ちゃんという大事な人が…痛い。」


「何を欲情してやがるマセガキが!悪いな偵察体か何かか?気配を感じてな。反射的に身を伏せてしまっただけだ他意はない。だからモジモジするな気持ち悪い!」


 本当に今のはなんだったんだ。俺の予想が正しければケンジの牽制かもしれんな。来るなという。これは想定以上にヤバいかもしれん。


「そうですか、つまらないですね。あんなに激しくだなんてお兄ちゃんにもしてもらったことなかったのに…。」


「俺はもうツッコまないからな。それより動くぞ。着いてこい」

「イエッサーです。」


 テンション高いなこいつ。こういうのに憧れでもあったのか。こちらは気が気でないというのに。


 森林からは10分程歩けば南口まで着いた。


「ミッシー身分証は持っているか?」

「持っていますけど、そういえば私はあの村で登録されてるので、通行する時止められてしまいますよ。」


 そうだろうな。あの村に縛られてるのでなければ逃げればいいはず、できないからあの状況だったのだろう。これを使え、新しい身分証だ。


「へぇ?なんでそんな物持ってるんですか?しかも私の顔写真まで添付されてる。偽装してもバレますって!」


 そりゃ普通バレるだろうよ、データベースのIDや顔写真が一致しないとかあるだろうし。


「いいから早く持て、その身分証通りに手続きしろ!行くぞ!」

「え!あ、はい分かりました。」


 通行する際の手続きを行うこと5分後、帝都に無事潜入できた。


「なんで入れたんですか?そして何かカード渡されましたよ」

「そのカードを身につけていれば次から手続きは不要だ。身分証に関しては秘匿事項だ。言えん。本来なら爺さんが裏で新たな身分証でも作成してくれれば面倒がなくてよかったんだがな。」


 さて帝都を見渡す。建物が地球の物とそう変わらない。デザイン性に差が出てるのはもう個人の趣味だろうな。そして空気が禍々しさを出してる。インフラはしっかりしてるが、その分闇が深そうだな、ここは。

 昔からそうだったが。


「さて宿泊先を探す。明日ケンジを探すことにしよう。いいな。」

「イエッサーですよ!」


 口調がどんどん変わるな、キャラがブレるからやめて欲しい。


「さーて!ケンジ!お前が幸せに暮らしてるというなら、仕方ない。全力で妨害して荒々しい世界に戻してやる。覚悟しとけ!」


「この人やっぱり最低だ!」


 こうして幕は切って落とされた。




さぁ両方の成功させることができるのか!

シンドウの計画は動く

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