6 乗っ取られ
--あれ、俺なんで戦おうとしているんだ? なんで弓なんか構えている?
自分の身体のはずなのに自分で動かせなかった。
「ナイトサーバント、お前の相手は俺だ」
「ほう、面白い」
--いや、待て待て。
勝手に口が動く。
ナイトサーバントは俺の方を向いてこちらの動きを伺っている。
俺の身体は矢を空へ向けて放った。
「消えろ」
上空に上がった矢は弾けて無数の矢に変わり、ナイトサーバントへ一直線に飛んでいく。
「爆! 爆! 爆!」
ナイトサーバントは光の矢を片っ端から爆発させていく。
しかし、光の矢の数と攻撃速度が勝っていた。
捌ききれなかった矢がナイトサーバントを貫いていく。
「クッ……。強いなよりお前を連れて行きたくなった」
「俺は誰の指図も受けない」
倒れているナイトサーバントを見下ろす。
「ぐっふっ……」
いきなり俺は口から血を吐いた。
視界が歪んで膝を折る。
「やはりな、お前はお前ではないな。乗っ取られている」
ナイトサーバントはふらふらと立ち上がる。
「俺は強い奴と戦うために牢からから出た。お前はまだ生かしておく価値がある。お前に免じて今日は見逃してやる」
地面に吸い込まれるようにナイトサーバントは消えた。
「私達助かったの?」
「そうみたいだ。カズマに感謝だな」
ドサッ!
俺は意識を失った。
「カズマ!!」
最後に聞こえたのは自分の名前だった。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
--おい、起きろ。
--誰だ? ていうかここはどこだ?
俺は辺りを見渡した。
何もないただ薄暗い空間である。
見えないが目の前からものすごい威圧を感じた。
--お前か、俺を呼び起こしたのは。
--呼び起こした? なんのことだ? 姿を見せろ!
--くくく、なかなか威勢のいいガキだな。
目の前が明るくなった。
そこにいたものに衝撃を受けた。
鬼のような角がおでこに二つ付いている。
目は青く澄んでいる。
黒いローブを着ている。
これらがパッと見た感じの印象なのだがあと一つ。
サイズが子供だ、すごく小さい。
さっきの威圧感が嘘のようだ。
--君、なに?
--お前、俺を呼び出しといてそれはないだろ。
--いや、ほんとに。無自覚で。
マジかよって顔で見上げてくる。
--そうか。いや、だったらさっきのダメージは納得がいくな
おそらくさっき血を吐いたことを言っているのだろう。
--とりあえずお前の名前は?
--カズマ。君は?
--俺はガブリ。よろしくな。
サイズが子供だからなんか上から来られるとムカつく。
--自分のこと何も知らないようだから教えていくとするよ。
そう言いながらガブリはその場に腰を下ろした。




