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エルフライフ  作者: 神島 葵
7/10

6 乗っ取られ

--あれ、俺なんで戦おうとしているんだ? なんで弓なんか構えている?

 

 自分の身体のはずなのに自分で動かせなかった。


「ナイトサーバント、お前の相手は俺だ」

「ほう、面白い」


--いや、待て待て。


 勝手に口が動く。

 ナイトサーバントは俺の方を向いてこちらの動きを伺っている。

 俺の身体は矢を空へ向けて放った。


「消えろ」


 上空に上がった矢は弾けて無数の矢に変わり、ナイトサーバントへ一直線に飛んでいく。


「爆! 爆! 爆!」


 ナイトサーバントは光の矢を片っ端から爆発させていく。

 しかし、光の矢の数と攻撃速度が勝っていた。

 捌ききれなかった矢がナイトサーバントを貫いていく。


「クッ……。強いなよりお前を連れて行きたくなった」

「俺は誰の指図も受けない」


 倒れているナイトサーバントを見下ろす。


「ぐっふっ……」


 いきなり俺は口から血を吐いた。

 視界が歪んで膝を折る。


「やはりな、お前はお前ではないな。乗っ取られている」


 ナイトサーバントはふらふらと立ち上がる。


「俺は強い奴と戦うために牢からから出た。お前はまだ生かしておく価値がある。お前に免じて今日は見逃してやる」


 地面に吸い込まれるようにナイトサーバントは消えた。


「私達助かったの?」

「そうみたいだ。カズマに感謝だな」


 ドサッ!

 俺は意識を失った。


「カズマ!!」


 最後に聞こえたのは自分の名前だった。


〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇


--おい、起きろ。

--誰だ? ていうかここはどこだ?


 俺は辺りを見渡した。

 何もないただ薄暗い空間である。

 見えないが目の前からものすごい威圧を感じた。


--お前か、俺を呼び起こしたのは。

--呼び起こした? なんのことだ? 姿を見せろ!

--くくく、なかなか威勢のいいガキだな。


 目の前が明るくなった。

 そこにいたものに衝撃を受けた。

 鬼のような角がおでこに二つ付いている。

 目は青く澄んでいる。

 黒いローブを着ている。

 これらがパッと見た感じの印象なのだがあと一つ。

 サイズが子供だ、すごく小さい。

 さっきの威圧感が嘘のようだ。


--君、なに?

--お前、俺を呼び出しといてそれはないだろ。

--いや、ほんとに。無自覚で。


 マジかよって顔で見上げてくる。


--そうか。いや、だったらさっきのダメージは納得がいくな


 おそらくさっき血を吐いたことを言っているのだろう。


--とりあえずお前の名前は?

--カズマ。君は?

--俺はガブリ。よろしくな。


 サイズが子供だからなんか上から来られるとムカつく。


--自分のこと何も知らないようだから教えていくとするよ。


 そう言いながらガブリはその場に腰を下ろした。 

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