4 ツートップ
まだ、荒らされてない聖樹の南側に降り立った。
「誰かいるか?いたら返事してくれ!」
そう言いながらサリーは逃げ遅れている者がいないかどうか建物の中を探し始めた。
木と木をうまくつたい素早く確認している。
「どうやら大丈夫そうだ」
「よかった。ありがとうサリー」
「こっからどう行くの?」
「ちょっとお待ちを」
エミリアはそう言うと指を口に咥え指笛を吹いた。
指笛の音が木と木で反響し響いていった。
少しすると三頭の初めて見る生物がやってきた。
誰もが同じ第一印象を持つと思うが巨大なウサギだ。
「ラビー来てくれてありがとう。南支部はまだ無事よね」
エミリアはその生物を撫でながら聞いた。
「そう、ありがとう」
「どうだエミリア」
「まだ大丈夫だって」
「そうか」
俺はまるで話についていけなくてちょっと悔しかった。
「カズマ、ラビーに乗って。安全運転だから落ちることはないわ」
この生物はラビーと言うらしい。
言われるがままマリアとラビーの背中に乗った。
思いのほか毛がすごく柔らかく、高級クッションのような触り心地である。
突然、視線を感じて辺りを見渡した。
何もいない。
そして、上を見たときに凍り付いた。
漆黒の色をした一軒家くらいの大きさの狼みたいなのがエルフの建物の上に立っている。
「あのさ……あれもエルフの仲間?」
カズマは指をさしながら問う。
「どれ?」
そう言いながらエミリアとサリー、マリアは指が刺された方を見た。
「フェンリル!?」
「まずい! 闇落ちしてる」
「戦うしかないわね。マリア、援護任せていい?」
「了解」
マリアはだいぶ回復してきたようだ。
「久しぶりだなエミリア共闘するのは」
「そうね。足引っ張んないでよ?」
「そっちこそ」
エミリアとサリーはだいぶ闘い慣れしているようだ。
「ねえマリアちゃん。エミリアとサリーってどのくらい強いの?」
「かなり。だって私達エルフの国のツートップですもの」
「まじか」
それよりもマリアちゃんがさっきよりもちゃんと話してくれてとても嬉しかった。
「それじゃ行くわよ!」
二人は同時にフェンリルの方へ走りだした。
フェンリルも二人に向かって飛び降りてきた。
二人は左右に分かれて避けた。
フェンリルが着地した衝撃によりその場の地面に亀裂が走った。
二人は避けた勢いでフェンリルの懐に入り込み切りつけた。
ギャアアア……。
切りつける手は止まらない。
剣のスピードが速すぎて目で追えない。
すると、フェンリルが後ろ足に力を溜めているのが見えた。
飛び上がる気だ。
「二人とも気を付けて!そいつ飛び上がろうとしてる!」
「ありがとう!マリアお願い!」
「任せて」
マリアは両手を前に出し呪文みたいなのを唱えた。
すると、地面から茨が勢いよく飛び出してきてフェンリルを縛り付ける。
「さあ、サリー止めとと行きましょうか」
「りょーかい」
二人が剣を振りかざした瞬間、二人の目の前の地面が爆発した。
「きゃあ!!」
二人は爆風に吹っ飛ばされて木に激突した。
「サリー!エミリア!」
「大丈夫よ……」
サリーはわき腹を抑えていて、エミリアは額から血が流れている。
「誰?」
サリーはフェンリルの上空を睨み叫んだ。
上空にはフードを被った人が一人浮いていた。
ゆっくり降りてきてフェンリルの頭の上に降り立った。
そして、フードを取った。
白銀の髪をしている男だ。
そして、柔らかい笑顔をして言った。
「僕の名はナイトサーバント。君たちを殺しに来た」




